MUG
マグカップ。
は和製英語?です。「マグ」です。カップつきません。
でも一般的には「マグカップ」です。裏管理人も日本人です。
ハンドル付きのソーサーのない大き目のカップです。
フタも付くと「タンカード」っていいます。金属製のでっかいジョッキっていう感じです。
ハンドルもフタも取ったら「ビーカー」。
今一番人気のあるマグカップといえばスターバックスの。
残念ながら洋食器の創美では扱っていません。
ウェッジウッドやリチャードジノリなどになります。
考えてみたら贅沢なアイテムです。
家事をしながら一口。
仕事しながら一口。
そんな相棒をヨーロッパの一流メーカーから選ぶわけですから。
ちょっと前のウェッジウッドはマグにも風格があります。
自分じゃなかなか買えない。なので贈り物にすると喜ばれます。
容量は200ccから350ccくらいまで。
ハンドルががっしりしていて安定感がある形が安心です。
マイセン2006年ケンドラーエディションのマグ。微妙なハンドルの形状の違い。
こりゃなかなかふだん使いできません。
こんな風にカラーバリエーションも豊富でコンビで贈り物にするのも気がきいています。
これはマグではありませんがたっぷり容量に安心のハイハンドル。ソーサーを小皿代わりにして一石二鳥。手描き下絵付けのマグ。贅沢でいいです。チンできます。
ただいま人気ダントツ。ウェッジウッドのフェスティビティ三兄弟。姉妹?チンできます。
欠品していて申し訳ありません。
使い方が自由なマグカップ。
コレクションする方もいらっしゃいます。
洋食器の創美のネットショップにはマグカップ特集ページもございます。
イタリアンフルーツ
Richard Ginori リチャードジノリ イタリアンフルーツ
いやぁ~暑い!。すごいです。猛暑です。
そこで涼しげなクリスタル製品でもご紹介しようかとも思いましたが、
どうせなら燦燦と光り輝く日差しを感じるイタリアンフルーツにご登場願うことにしました。
でもまとわりつくような蒸し暑さのイメージじゃないでしょう。
地中海のさわやかな風と光を感じさせるパターンです。
それにしても250年近い昔のデザインにはみえません。
イタリア!!っていうイメージがピッタリ。モダンです。洗練です。
フィレンツェです。
同じフルーツでもザクロがタマネギになったのとは大違い。
1900年直前にミラノのリチャード社と合併する前のドッチア窯時代の名品です。
プルーンをメインにグーズベリーや小花を散らした愛らしいデザイン。
空間と色彩が絶妙。
以前にもお話しましたがこういう総柄タイプこそそろえたときに良さが引き立つから不思議です。絶対にうるさい感じになりません。
ね。
そういえばまたまた中野店時代の実話。
23ピースだったかどうかセットの内容の記憶はあいまいですが。
「セットでそろえるから探してくれ」って男性のお客様。
T店長と裏管理人はホクホク顔。
が。次の瞬間えらい条件が飛び出しました。
「全部洋ナシ付きで頼むよ。」って。
そうです。添えられるフルーツや小花は組み合わせが多種多様です。
こちらのお客様のご要望は全ピース(フタも!)に必ず洋ナシが描かれている(ちなみに転写してからの手描きです)こと。
このスープ皿の3時の位置の。拡大してみてください。
裏管理人は腰ひけましたがさすがにいまや営業トップの当時のT店長。
「洋ナシつきですね。かしこまりました。」って。
なんとかそろいましたがポットのふたで苦労したような。中野店イタフルだらけになりました。
金彩が縁ではないところに施されていたり。
ちなみに金が曇ったらプラスティック消しゴムがおすすめです。
ポットの形がしゃれていたり。
魅力はつきません。
ネットショップ開店一周年
今日は宣伝させてください!!
何回かお知らせしましたが、
洋食器の創美オフィシャルネットショップが今月で一周年です。
真夏の感謝企画ガシガシ続行中です。
第一弾 「7週連続週替り特価企画」
第二弾 「6週連続週替り還元ポイント倍増企画」
第三弾 「還元ポイント20%・30%企画」
第四弾 「レアモノ一点販売企画」
7月20日からスタートして弾!弾!弾!と追加続行中です。
で。
裏管理人がもっともやりたかったのが第四弾「レアモノ一点販売」!!
実は。
「名品一点販売特集」として16日~19日の四日間短期決戦の予定でしたが得意の前倒しです。
このブログでご紹介した名品たちも続々アップ!!
閑散期の実店舗からほんの一部ですが調達しました。
第三週には奉還です(泣)。
せっかく撮影しても手描きものは個体差がありますし、パターンがいくつもあるシリーズもありますから販売対象品としてアップしにくいでしょう?
今回は撮った一点そのもの販売がほとんどです。
洋食器の創美では「高額品は実店舗で売れればいい」スタンス。
裏管理人も実店舗でそうしていますからいいといえばいいのですが、やっぱりご紹介だけじゃなくて使ってみて欲しいのが本音です。
フローラダニカのティーカップもアップしています。
このカップ、税込210,000円ですが9月1日にはな、な、なんと262,500円!!に値上がりします。
マイセンも値上げ追随しそうですし。
この夏、思い切ってみませんか?
高額品ですから画像だけでは不安ですね。
届いてお気に召さなければご返品いただければいいです。
ノープロブレム。
更新し続けますのでお盆明けまで要チェックです。
暑いのに暑苦しいトップページで微妙に反省しています。
閑話休題
本日休日。
洋食器の創美オフィシャルブログでありながらいかがなものか。の内容です。
たまには息抜きしましょう。
最初の自己紹介通り裏管理人の同居人?は猫4匹犬1匹嫁1人子供3人。
ただいま猫2匹のみののどかな午後。
じゃれあう2匹を眺めつつ。
ふと思い出す裏管理人家イヤープレート破損事件。
こいつらです。
末娘の誕生記念のロイヤルコペンハーゲンイヤープレート1993年を見事に打ち砕いてくれたのは。
左「ゴマ」やんちゃ男の子。右「ジジ」お澄まし女の子。
あとの二匹はギネス級長老14年ものとお出かけ大好き熟女でつねに猫らしく「われ関せず」の態度が徹底しています。
この二匹はもう。とにかくじゃれあい追っかけっこしあい大騒ぎ。
で。出窓のイヤープレート「がっしゃ~ん」。
こんな感じに。
いまやプレミアついて84,000円。
ふだんは偉そうにおすすめしているくせに買えません(泣)。
同居人は高くなってるの知らなくて「あらあら。」で終わり。
いまの相場を教えたら錯乱状態になること間違いありませんから黙って処分。とほほ。
でもいい年したオヤジがこいつみてると許せちゃうんですよ。
裏管理人同居歴代のべ10匹の猫どもの中で必ず風呂に入ってきたり、食事中に膝に乗ってくる猫ってふつういませんよね。
早くはいろうと誘っているところ。
シャワーでも浴びますか。
ウェッジウッド フロレンティーンターコイズ
ウェッジウッド フロレンティーンターコイズ
WEDGWOOD Florentine Turquoise
1872年デザイン。1931年発表。ウェッジウッド古参のシリーズ。
昔のウェッジウッドは長い名前が多くて、20年前の創業期はお客様も販売員も滑らかに口にするのに四苦八苦。
ユーランダーパウダーターコイズ、コロンビアパウダールビー・・・。
今は無き中野店で18年くらい前の実話。
まだ市販の見積書をお買上伝票にしていた頃です。
当時はご予約販売も閉店後に手書きの伝票から転記しなければなりません。いまでいうちょっとセレブな熟年女性販売員の伝票に記入されていたウェッジウッド。
「フロレンティーンパウダーターコイズ」(汗)。
どっちやねん(笑)!!
結局パウダーがよぶんだったことが判明し無事仕入れを依頼しました。
一週間ほどして裏管理人がでたお客様からのお電話。
「あの。山田(仮名)ですけれども先週お願いしたフロレンティーンパウダーターコイズ届いております?」
裏管理人「はい。まちがいなく届いております。」
伝票の控えをみながらの丁寧なお問合せに思わずそのまま通してしまったのでした。
そういえばミントンのことミルトンっておっしゃるお客様も多かった。
おもいっきり脱線。
ギリシア・ローマ神話に登場するグリフィンなどの動物がデザインされたフロレンティーンターコイズはエナメルのターコイズの部分を手描きする手間のかかったシリーズです。
カップならやはり紅茶専用ティーカップのピオニーがおすすめです。
なかにもデザインされていてとてもおしゃれ。カップで底にメダイオン文様がはいるのはピオニーだけ。よくみるとフルーツの文様ですね。
ソーサーやプレートにはセンターにあしらわれてバランスのいいアクセントになっています。
各国代理店の要望や流行にとらわれない真のウェッジウッドとして大事にしたいシリーズです。
古き良きウェッジウッド。
セッティング前提のデザインはそろえるほどに美しさを際立たせます。
本格派にはコーヒーカップ&ソーサー(ボンド)もおすすめです。
いわゆるデミタスですがカッコイイです。
KPMベルリン
KPMベルリン(Konigliche Porzellan Manufaktur)
ベルリン王立磁器製陶所 since1763
KPMを語るとき。
プロイセン国王フリードリヒ2世なくしてその歴史は語れません。
ヨーロッパの名窯はほどんどが王立。
こぞって磁器制作をわが国で。って競っていたから当然です。
ただし。
他の王立と生い立ちが異なる点があるのです。
それは。
国王自らがブランデンブルグ選帝侯時代の紋章を窯印とし、燃料調達から職人の地位・報酬までことこまかく直接指示して経営された点です。
要は。
産業・文化の国策の一環としてひじょうに熱心に取り組んだということではないでしょうか。
西欧で初めて硬質磁器焼成に成功したのがザクセンのマイセンであったことは何回かご案内しました。
その磁器焼成成功の立役者がJ.F.ベトガー。
実は。
そのベトガーはもともとプロイセンにいた錬金術師だったのです。
「悔しい~。」かったはずです。きっと。
で、気合入れたんでしょうね。
ドイツの歴史上最高の国王として誉れ高いフリードリヒ大王が本気になったわけですから強力です。
ノイジェラット56。
これ裏管理人も大好きなロココ様式そのものでいながら落ち着きと風格のあるノイジェラットの64番。
KPMでは、フォルムの呼び名に番号をつけてパターン名としています。
00っていうとそのフォルムの白磁。
装飾に手間がかかるほど数字が大きくなります。
ノイジェラットは64番が最上級。
今日はKPMベルリンの歴史のお勉強ということで。
洋食器の創美はKPMベルリン大得意ですから今後もどんどんご紹介していきますからお楽しみに。
品番の仕組み(マイセン編)
マイセンの品番の基本
マイセンのアイテム数おそらく30万種類以上。
メーカーとしても品番管理は必須です。
わけわかんなくなっちゃいます。
助かるのは製品に品番が描きこまれている点です。例外もありますが。
まずデコレーションナンバー。
このブログでも「decoNo.なになに」っていうふうに表示しています。
いわゆるパターンとかシリーズとか。
柄(がら)を6桁の番号で表します。クリックして拡大してみてくださいね。
オレンジ色で020610/394って読めます?
020610がデコレーションNo.でイエローローズのこと。
020610っていうと必ずイエローローズのデコレーションになります。プレートでも花瓶でも。
ちなみにスラッシュのあとの3桁や4桁の数字はペインターさんの番号。
カップとソーサーで違っていたりします。同じこともあります。
裏管理人個人としてはカップとソーサーを異なるペインターで微妙な筆致の違いを楽しんでいます。
それにしても慣れるまで数字読めません。なんだか下手というかクセが強いです。こんなです。
‘1’が逆Vの字みたいだったり、だいたい縦長。
絵付けの美しさと字の読みやすさは別問題のようですね。
最初の写真はソーサーですがカップにはデコレーションNoが描き込まれていない場合もあります。
これがさっきのイエローローズのカップです。ペインターNoしか見当たりません。このあたりの描く描かないの基準は明確ではないようですがペインターNoは必ず入ります。
この6桁のデコレーションNo.に5桁フォームNo.(型)が組み合わされて製品が特定できるようになっています。
型の番号は成型の段階で刻印されます。
最初のソーサーの写真と4番目のカップの写真を拡大してよくみるとそれぞれ(00)562と(00)572の刻印が確認できます。
これが型の番号です。
ちょっとややこしいのはこのカップ&ソーサーの型番は00582。
カップが00572、ソーサーが00562。合わせて00582。
しかして020610-00582はイエローローズのコーヒーカップ&ソーサーとなります。
少しずつ例外がありますがこんな仕組みです。
デコレーションNo.に型番をくっつけて、見たこともないアイテムを発注したことも数知れず。
絵付けのない白磁や下絵付けだけのブルーオニオン等はペインターNo.やペインターの記号だけになるのがほとんど。
上から順に、ブルーオニオン・ブルーオーキッド・波の戯れホワイト。
ブルーオーキッドには下絵付けのデコNoも確認できますね。
波の戯れホワイトはドイツ語の「白」という意味の単語が記されます。こうしておけばマイセン以外のペインターが絵付けしても「外絵付け」ってすぐにわかるでしょ。自衛策です。
モチーフ番号がプラスされたりいろいろですが、お買い足しのときなど知っていると確実です。
稀に描き忘れや描き間違いもあったりします。手作りの宿命ですね。
ヘレンド シノワズリ その1.
ヘレンドのシノワズリ HEREND Chinoiserie part1
アウガルテンの記事で触れましたがヘレンドは開窯(1826年)当初はハプスブルグ家純正御用達窯であったウィーン窯(アウガルテン)のNo.2的な窯でした。
それが。
第一回ロンドン博覧会(1851年)でビクトリア女王に注文を受ける栄誉に浴した「ビクトリア」の出展で注目を集めます。
王侯貴族・社交界への”デビュー”っていう感じでしょうか。
ビクトリアVBOも東洋趣味。
そして。
1867年のパリ博で独自の世界観をもつシノワズリシリーズを出品し、一躍名窯の仲間入りを果たしたわけです。
ヘレンド初のシノワズリである「西安の赤」改め「ゲデレ」G。
ハプスブルグ家后妃エリザベートさんが別荘のゲデレ城用にご用命。以後「ゲデレ」とか「ゴドロー」とか呼ばれています。
それにしても。
マイセン開窯から150年近く過ぎた19世紀半ばに発表された中国趣味(シノワズリ)が当時の王侯貴族に絶賛されたのはなにゆえ?
シノワズリは出尽くした感があったはずです。
いかに個性的であったか、独創的であったか、ということですね。
好みまっぷたつの潔さ。
ERS。この強烈な個性にはエネルギーさえ感じます。
大勝負に出たんだって裏管理人は勝手に思います。
このシノワズリシリーズがあってこそ今のヘレンドがあるわけです。
各作品についてはまたの機会でご紹介します。
お得意様のコレクション(その3)
洋食器の創美藤沢店お得意様コレクションpart3。
引き続きアンティークマイセン。
例によってまたしても絶品です。
マルコリーニの花絵付け
7年戦争による疲弊と18世紀後半の華麗なロココ様式に対する一般社会からの反発により(フランス革命も反封建主義)、作風の転換が遅れたマイセンは発注激減。
経営危機。ほんとに危なかったようです。
で。
1774年、カミロ・グラフ・マルコリーニ伯爵が再建を目指して工場長に任命されたわけです。
1774年から1814年まで。この間のマイセンの双剣マークには柄の間に星印(アスタリスク)が記され、時代考証が明確です。
マルコリーニについては好意的な評価もありますが、絵付け前の貴重な白磁を販売してしまったことや経営自体をまったく立て直すことができず後任にさらなる苦労をかけたことで厳しい見方も多いようです。
が。
なんとかヒットを飛ばそうと試行錯誤がみられるマルコリーニ時代ならではの作品も多数あってマルコリーニ時代のコンディションのいいものを収集しつづけるコレクターも多いのです。
ただ。
さきほどお伝えしたように白磁が販売されてしまっていたためにマイセン以外で絵付けされたもの(外絵付け)も当然数多く出回っています。
また、苦しい時代で磁器質にもばらつきがあります。
ですから、マルコリーニ時代の状態の良い作品はますます人気。貴重。
で。こちら。
この美しさはどうでしょう。真性マイセンであることは間違いありません。
セピアカラーのこの花絵付けはマルコリーニ時代を代表するパターンです。
数多くの愛らしい天使人形をデザインしたフランス生まれのミシェル・V・アシエが原画を手がけたといわれています。
ロココの申し子のようなアシエが時代の波には逆らえずに本作のような新古典主義のモチーフを描いたことに当時のマイセンの必死さが裏管理人には伝わってきます。
それにしても才能ある芸術家(職人)は何を創造してもすごいものですね。
形状(フォルム)もロココから新古典への潮流をうけて古代ギリシア・ローマの様式が踏襲されています。
こちらの作品の良さはその希少性プラスとにかくその個体のすばらしさ(コンディションの良さ)に集約されると思います。
「アンティークこそ美しくなければならない」(裏管理人)。
何点か同様の作品と出会っていますがこのF様のご用命品ほどのクオリティの逸品にはあとにもさきにも縁がありません。
5ピース1ユニット
5ピース1ユニット(ファイブピース・ワンユニット)
15年くらい前でしょうか。
ウェッジウッドさんがさかんに提案していた組み合わせです。
カップ&ソーサーとプレート20cm、27cmにサラダソーサー(オートミール)。以前お話したように1パーツ1ピースで数えますからこれで5ピース。
こうなります。
一人分のそろえ方としての提案ですね。
これ掛ける人数分っていうキャンペーンだったと記憶しています。
こんなふうに20cmプレートとサラダソーサーをセットするとステキ。
別名スターターセット。
欧米では4セット(20ピース)が基本セット数。
1ユニット分箱に入っていたりしました(おもにアメリカ向けって聞いたような)。
実際、とっても使いやすい組み合わせで場面場面でそれぞれが活躍すること間違いなし。
ストロベリー&バイン。
とくにオートミールまでの4pcsはお茶飲み時間にとても重宝します。直径16cmのちょっと深めのボールはほ~んとによく使えます。
和食にマッチするサムライ。
コレクションのなかで一番のお気に入りをこういう組み合わせで数人分そろえるのも本来の意味での洋食器の楽しみかたです。
もちろんウェッジウッドに限りません。