お得意様のコレクション(その3)

洋食器の創美藤沢店お得意様コレクションpart3。
引き続きアンティークマイセン
例によってまたしても絶品です。
アンティークマイセン マルコリーニ_02  洋食器の創美
マルコリーニの花絵付け
7年戦争による疲弊と18世紀後半の華麗なロココ様式に対する一般社会からの反発により(フランス革命も反封建主義)、作風の転換が遅れたマイセンは発注激減。
経営危機。ほんとに危なかったようです。
で。
1774年、カミロ・グラフ・マルコリーニ伯爵が再建を目指して工場長に任命されたわけです。
1774年から1814年まで。この間のマイセンの双剣マークには柄の間に星印(アスタリスク)が記され、時代考証が明確です。
マルコリーニについては好意的な評価もありますが、絵付け前の貴重な白磁を販売してしまったことや経営自体をまったく立て直すことができず後任にさらなる苦労をかけたことで厳しい見方も多いようです。
が。
なんとかヒットを飛ばそうと試行錯誤がみられるマルコリーニ時代ならではの作品も多数あってマルコリーニ時代のコンディションのいいものを収集しつづけるコレクターも多いのです。
ただ。
さきほどお伝えしたように白磁が販売されてしまっていたためにマイセン以外で絵付けされたもの(外絵付け)も当然数多く出回っています。
また、苦しい時代で磁器質にもばらつきがあります。
ですから、マルコリーニ時代の状態の良い作品はますます人気。貴重。
で。こちら。
アンティークマイセン マルコリーニ_01  洋食器の創美
この美しさはどうでしょう。真性マイセンであることは間違いありません。
セピアカラーのこの花絵付けはマルコリーニ時代を代表するパターンです。
数多くの愛らしい天使人形をデザインしたフランス生まれのミシェル・V・アシエが原画を手がけたといわれています。
ロココの申し子のようなアシエが時代の波には逆らえずに本作のような新古典主義のモチーフを描いたことに当時のマイセンの必死さが裏管理人には伝わってきます。
それにしても才能ある芸術家(職人)は何を創造してもすごいものですね。
形状(フォルム)もロココから新古典への潮流をうけて古代ギリシア・ローマの様式が踏襲されています。
こちらの作品の良さはその希少性プラスとにかくその個体のすばらしさ(コンディションの良さ)に集約されると思います。
「アンティークこそ美しくなければならない」(裏管理人)。
何点か同様の作品と出会っていますがこのF様のご用命品ほどのクオリティの逸品にはあとにもさきにも縁がありません。

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