干支

マイセン
手びねり人形の十二支シリーズ

2006年マイセンデイス発表作品です。
「マイセンデイズ」は世界中の正規ディーラーをマイセンが工場に招待して開催される新作発表会です。
毎年9月に開かれます。ちょうど今頃です。
「手びねり」っていうのは型を使わないで手で直接磁土をこねて作る方法です。
小学生の粘土細工みたいなものですね。そんな簡単ではありませんが。
何度か登場したペーター・シュトラングが考えた技法です。
マイセン 手びねり干支(寅)_01  洋食器の創美マイセン 手びねり干支(寅)_02  洋食器の創美
寅。ほとんど猫です(笑)。
‘Signs of the zodiac’というタイトルですから十二宮を干支になぞらえて制作したんでしょうね。
デザイナーの感性が色濃く現れる技法ですので干支の動物がとってもユニーク。
「巳」は完全にコブラです。マイセン 手びねり干支(巳)_01  洋食器の創美
「辰」。もうこれはかわいいペットとしかいえません。マイセン 手びねり干支(辰)_02  洋食器の創美
それぞれの人形が金彩の看板を捧げ持っていますがやっぱりよくわからないところがご愛嬌。
マイセン 手びねり干支(申)_01  洋食器の創美「ぼくは申年です。」
造形としては「酉」がけっこう凝ってます。
マイセン 手びねり干支(酉)_01  洋食器の創美
高さ10.5cm。
型なしで制作するわけです。マイセンの磁土で。2-3体並べるとすごくすてきです。
マイセン 手びねり干支  洋食器の創美
ちなみに裏管理人は年男です。
なにをかくそう「豚年」なのでした。マイセン 手びねり干支(亥)_01  洋食器の創美

読書の秋?

マイセン2006年度限定品 ’Porcelain book’ (Symbols)
290390/58992 lim.50
なんば店「ヨーロッパ名陶名品展」で面白いマイセン限定品が入荷していたのでお約束通り
撮ってきました。
2006年のテーマは「J.J.ケンドラー生誕300周年記念」(Kaendler-Edition)と
「マイスターによる限定品」(Limited Masterpieces)でした。
これは’Limited Masterpieces’。世界限定50点の「ポーセリンブック」。
マイセン 2006年限定「ポーセリンブック_01」  洋食器の創美
なんとマイセンの陶板(磁板)でできた「本」です。
11cm×8cm。厚さ約1.5mm!!
表紙と裏表紙+マイセンの歴代パターンから象徴的な図柄を描き込んだ5枚(10ページ?)を製本?した希少品です。
マイセン 2006年限定「ポーセリンブック_02」  洋食器の創美
最初のページは伊万里。マイセン 2006年限定「ポーセリンブック_03」  洋食器の創美
裏にはパターンに含まれた寓意が記されています。もちろんこれも手描き。
3ページ目は「FF画」。最上級難易度の花絵付け。マイセン 2006年限定「ポーセリンブック_04」  洋食器の創美
こんなふうにあとはフルーツの絵柄やパグ犬などのページが陶板で綴られています。
こんなに薄い陶板を焼成すること自体、たいへんな技術ですね。
裏表紙には”LM”のマークとシリアルNoが記されます。
パタン。
マイセン 2006年限定「ポーセリンブック_06」  洋食器の創美

パグ

パグ PUG(独でMops)
ここのところ立て続けに登場しているパグ。
洋食器の創美ネットショップのリーダースタッフの愛犬タローがパグ。
で。たまたま連続出場となっていますが、
実はパグ犬はマイセンととっても深い縁があるのです。
マイセンにはパグの置物がけっこう多いのです。
特に18世紀後半。
ドイツは犬多いです。日本と違って完璧な主従関係です。
狩猟民族だからでしょうね。
王侯貴族もきっとそうだったことは想像できます。馬自慢犬自慢。
18世紀のそんななかで宮廷で大流行した愛玩犬がパグだったのです。
勇猛果敢な狩猟犬とは違ってなんともユーモラスで平和なお姿。
「博愛」の象徴でもあったとか。
おりからの東洋趣味。
鼻筋の通ったシェパードよりアジアしてます。この顔。
タロー_04  洋食器の創美
「ぼくの話題?」
そうなってくれば当然人気出ますから作ります。
ペットのパグちゃんが亡くなって悲しみのあまりマイセンに大金をはたいてそっくりの置物を発注する貴婦人。
なんて。想像力たくましい裏管理人には目に浮かびます。
マイセン 2004年限定品 パグのモカカップ&ソーサー  洋食器の創美
マイセン2004年限定品パグの100ccモカカップ。各世界限定75客。
2004年限定品のテーマは「シンボル&イメージ」でした。
パグはフリーメイソン思想の「忠誠」と「博愛」の象徴。限定品に採り上げられるほどの存在ということです。
マイセン 2004年限定品 パグのモカカップ&ソーサー_01  洋食器の創美
たしかにパグちゃんでしょ。
ネットショップスタッフの愛犬タローがひょんなことから大活躍なのでした。

品番の仕組み(マイセン編)

マイセンの品番の基本
マイセンのアイテム数おそらく30万種類以上。
メーカーとしても品番管理は必須です。
わけわかんなくなっちゃいます。
助かるのは製品に品番が描きこまれている点です。例外もありますが。
まずデコレーションナンバー。
このブログでも「decoNo.なになに」っていうふうに表示しています。
いわゆるパターンとかシリーズとか。
柄(がら)を6桁の番号で表します。クリックして拡大してみてくださいね。
マイセン 品番_02  洋食器の創美
オレンジ色で020610/394って読めます?
020610がデコレーションNo.でイエローローズのこと。マイセン イエローローズ コーヒーカップ&ソーサー  洋食器の創美
020610っていうと必ずイエローローズのデコレーションになります。プレートでも花瓶でも。
ちなみにスラッシュのあとの3桁や4桁の数字はペインターさんの番号。
カップとソーサーで違っていたりします。同じこともあります。
裏管理人個人としてはカップとソーサーを異なるペインターで微妙な筆致の違いを楽しんでいます。
それにしても慣れるまで数字読めません。なんだか下手というかクセが強いです。こんなです。
number
‘1’が逆Vの字みたいだったり、だいたい縦長。
絵付けの美しさと字の読みやすさは別問題のようですね。
最初の写真はソーサーですがカップにはデコレーションNoが描き込まれていない場合もあります。
マイセン 品番_04  洋食器の創美
これがさっきのイエローローズのカップです。ペインターNoしか見当たりません。このあたりの描く描かないの基準は明確ではないようですがペインターNoは必ず入ります。
この6桁のデコレーションNo.に5桁フォームNo.(型)が組み合わされて製品が特定できるようになっています。
型の番号は成型の段階で刻印されます。
最初のソーサーの写真と4番目のカップの写真を拡大してよくみるとそれぞれ(00)562と(00)572の刻印が確認できます。
これが型の番号です。
ちょっとややこしいのはこのカップ&ソーサーの型番は00582。
カップが00572、ソーサーが00562。合わせて00582。
しかして020610-00582はイエローローズのコーヒーカップ&ソーサーとなります。
少しずつ例外がありますがこんな仕組みです。
デコレーションNo.に型番をくっつけて、見たこともないアイテムを発注したことも数知れず。
絵付けのない白磁や下絵付けだけのブルーオニオン等はペインターNo.やペインターの記号だけになるのがほとんど。
マイセン 品番_05  洋食器の創美
マイセン 品番_06  洋食器の創美
マイセン 品番_07  洋食器の創美
上から順に、ブルーオニオン・ブルーオーキッド・波の戯れホワイト。
ブルーオーキッドには下絵付けのデコNoも確認できますね。
波の戯れホワイトはドイツ語の「白」という意味の単語が記されます。こうしておけばマイセン以外のペインターが絵付けしても「外絵付け」ってすぐにわかるでしょ。自衛策です。
モチーフ番号がプラスされたりいろいろですが、お買い足しのときなど知っていると確実です。
稀に描き忘れや描き間違いもあったりします。手作りの宿命ですね。

マイセンフラワー

マイセンフラワー
Blumenmalerei(Flower Painting)
マイセンの花柄っていってもどれくらいの種類があるのか想像するのも怖いくらい。
「洋花」だけとしても同じ品番(デコレーションNo)でのバリエーションも勘定にいれると・・・。
2,000種類? 5,000種類以上?
きっとマイセン自体も把握できていないと思います。
今日は、なかでも一番なじみ深いフラワーのご紹介です。
「二つ花」とか「五つ花」とか聞いたことありますでしょう?
マイセン フラワー_01  洋食器の創美
左から「二つ花」「三つ花」「五つ花」です。花の種類がいくつかで数えます。
「一つ花」も「四つ花」っていうのもあります。
「四つ花」以上はカップとソーサーの柄は合わせません。
もうすこしわかりやすい写真。
マイセン フラワー_02  洋食器の創美
左から、二つ・五つ・三つ。二つと三つはメインのお花がカップとソーサーでそろっていますが五つは違っていますね。いいんです。それで。
マイセンフラワーとかジャーマンフラワーとかいわれる代表的な花絵付けです。
ややこしいのは「二つ花」や「三つ花」などそれぞれに花の向きや絵付けの場所の違いでさらに別の品番があること。
要注意です。奥深いです。
とにかくソーサーの裏に描きこまれている6桁のデコレーションNo.を確認すれば大丈夫です。
マイセン フラワー_04  洋食器の創美
decoNo100110の五つ花の6ピース。全部で三十花。
柿右衛門を写していて「このままじゃいかん」と思ったかどうかわかりませんが、
16世紀の植物園(花の園)ブームをうけて広まりつつあった花を装飾のモチーフにするトレンドをマイセンが採り入れることは自然な流れだったのではないでしょうか(裏管理人推測)。
マイセン フラワー_03  洋食器の創美
decoNo060110の三つ花の6ピース。全部で十八花。鬼も十八番茶も出花。
といっても花の種類は膨大です。注文に応えるにもある程度のパターンを決めないと注文するほうも描くほうもたいへん。
そこで賢い人が36種類のメインの花模様(花の種類)を決めて見本表を作ったわけです。
それが今も使われています。もちろん洋食器の創美にもあります。
アネモネ、クロッカス、デイジー、ポピーは3種類・・・。
例外。
五つ花の場合に限りまれにメインの花が36種類にはないピンクの薔薇になっていることがあって、それが入荷したときは積極的におすすめしています(下の写真の右端の花瓶がそうですね)。
36種類といっても添えられる花のアレンジはペインターにまかされていますから完全に同じパターンはまずありえません。
マイセン フラワー_06  洋食器の創美
マイセン フラワー_05  洋食器の創美
創業当初はオープンワークのディッシュ類や花瓶、大皿など手当たり次第っていう感じでした。
今は1客ずつで楽しむ時代とお話しましたが、こちらはやっぱり最低6ピースで花を楽しむのが正解です。
マイセン フラワー_07  洋食器の創美
さまざまな花々が咲き乱れてほんとうにすてきです。
男の裏管理人でもセットのご納品の際には感動しちゃいます。
フラワーのモチーフの関係でなかなかネットショップでアップできないのが残念!!

マイセン ブルーオーキッド

マイセン ブルーオーキッド
Orchidee auf Ast,kobaltblau decoNo.824001
ブルーオニオンと並ぶマイセンのコバルト下絵付けの代表作。
H.ヴェルナーとL.ツェップナーによる現代マイセンの代表作。
です。
マイセン ブルーオーキッド コーヒー3pcs_P18  洋食器の創美
1960年に結成された通称「5人組」についてはあらためてご紹介します。20世紀後半の新しいマイセンを発展させた芸術家5名。
造形担当ツェップナーが睡蓮の花から着想してこの新しいフォルム(グローサーアウスシュニット)を考案し、
絵付け担当ヴェルナーがこの新しい下絵付けパターンをデザインして1977年に発表されました。
マイセン ブルーオーキッドimg_05  洋食器の創美
すぐにこういうアイテムまでそろえちゃうところが洋食器の創美の大胆なところです(10年位前の写真)。ちなみに右端のゴブレットみたいなアイテム。なんだかわかります?急須の茶漉しのスタンドです。このころほんとの用途わからずに仕入れてたかも・・・。
空間の多い水墨画のような構図はまさしく日本びいきのヴェルナーの真骨頂。
下絵付けでぼかし。
これは技法的にも画期的なことで天才絵師ヴェルナーあってこその定番化といえます。
前の記事でお話したように下絵付けは修正できません。一発勝負。
形のほうも自然の観察からデザインするツェップナー作の現代マイセンを代表するフォルム。
ポットは白鳥のイメージ。マイセン ブルーオーキッド ティーポット  洋食器の創美
優雅。
スープ皿はボール状で煮物のサービスに使えます。
マイセン ブルーオーキッドimg_04  洋食器の創美
いかにヴェルナーでもそこまで見越してデザインしたわけではないでしょうが今流行りの洋食器で「和」にぴったり。
マイセン ブルーオーキッドimg_01  洋食器の創美
ティーカップも柔軟な発想で。
マイセン ブルーオーキッドimg_06  洋食器の創美
こんなアイテムまで。人気品です。これまた人気のクリストフルのお箸と一緒に撮影してみました。
マイセン ブルーオーキッド 箸置き  洋食器の創美
陶板とか
こんなアイテムも扱ってきました。時計。ゼンマイ。
マイセン ブルーオーキッド クロック&コンポート  洋食器の創美
ブルーオーキッド
じつはヨーロッパではあまり人気がないとか。現地でもすごく割高で、なんだか開き直ってるっていう感じです。
伝統的なイメージの強いマイセンですが優雅で上品な私たち日本人になじみやすい食器です(価格がなじみにくいですが思い切っちゃう価値あり)。

下絵付けと上絵付け

今日はお堅い(硬い)話。
硬質磁器焼成についてお付き合いください。興味なければパスパス。
手描きの場合の下絵付け(アンダーグレイズ)と上絵付け(オーバーグレイズ)の違いをご説明したいのです。
裏管理人もなんとなくわかっていたつもりでその大きな違いに気づいたのはけっこう最近かもしれません。
ここではマイセンを例にしていますがもちろんどこでも大差ありません。
その1.カオリン・石英・長石を原料とした磁土で成型します。
このカオリンの発見が磁器発明のポイントです。カオリンのみつからない英国は軟質磁器のボーンチャイナ(牛の骨入り)しか作れません。それはそれですばらしいのですが。
その2.素焼き(900度くらい)
素焼きすると15%くらい縮みます。成型や装飾が精密でないと窯から割れてでてきます。
その3.施釉
素焼きしたものに釉薬(うわぐすり)をかけます。施釉(せゆう)とかいいます。均一に施釉するのは熟練の技。
ちなみに釉薬がかかった状態はつや消しの白。
その4.本焼成(1400度から1450度くらい)
本焼成するとガラス質の釉薬が透明になってコーティング状態になります。ツルツルの見慣れた白磁の状態ですね。
波の戯れホワイトホワイトレリーフなどの白磁ならここで完成。
この状態で絵付けするのが上絵付け。金彩もこのときに。もちろん絵師は異なります。
その5.第三焼成(900度くらい)
上絵付けの絵の具を焼き付けるっていう感じです。セピア色で描かれた薔薇が見事なピンクに変化したりします。
多色使いや緻密なデコレーションの場合はこの第三焼成を繰り返します。
金を磨いて完成。
とってもざっくりですがこんな流れです。
で。おわかりと思いますが下絵付けは?
その2.その3.の間で絵付けします。素焼き状態。筆の運びが難しい。絶対に修正ができません
ブルーオニオンブルーオーキッドはこういう状態で絵付けされます。
マイセンのバックスタンプの双剣マークは下絵ですからここで専任ペインターによって手描きされます。
施釉するとやっぱり真っ白でなにが描かれたかもわかりません。
その4.の本焼成を経てはじめて透明のガラスコーティング(車みたい)状態になります。
完成。
では。上絵付けと下絵付けの違いはなんでしょう?
というか。下絵ってなぜコバルトくらいしか聞かないのでしょう?
ヒントは絵の具と温度。
下絵(染付けとかともいいます)の絵の具は釉薬がかかっているとはいえ、1400度以上の高温にさらされます。そして初めて美しく発色します。
上絵の絵の具は900度。500度の差。上絵の絵の具で下絵付けすると色が飛んじゃうか黒くなるか(よく知りません)。とにかく製品化不能。
下絵用の絵の具を自社開発してもっているかどうかが勝負の分かれ目と考えられます。
秘伝。
マイセンでは1739年にクレッチマーという化学者がコバルト下絵用絵の具を発明。同年ブルーオニオン発表。必然。
さらにグリーン。(別名・通称:酸化クロムの緑)
1800年代のマイセンの功労者キューンが1817年に開発。翌年バインリーフ発表。必然です。秘伝その2。
狩人(猟師)のほら話。ちっちゃいのに高額です。使われているグリーンは下絵付け。その他の色は上絵付け。そして金。トリプル(意味不明)!! 高額になるわけです。描く人みんな違います。
描き手もさることながら絵の具の存在をお伝えしたくて長々とご説明してしまいました。
イングレイズといって絵の具と釉薬が溶け合う技法もあったりで一概には決められませんが、ヨーロッパでの下絵付けの希少性をお伝えしたかったのでした。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。
画像付きのこちらの記事もご参考にどうぞ。
参考文献:橋田正信著「マイセン磁器」平凡社
マイセンの本は多数出版されていますが、とってもわかりやすくておすすめです。

マイセン 麦わら菊

マイセン 麦わら菊 decoNo.823601
– Strohblumenmuster –
マイセン 麦わら菊 ティーカップ&ソーサー  洋食器の創美
どこかでみたことのあるパターンでしょう?
そう。まさしくロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッド・プレイン
ご存知のかたも多いでしょうがオリジナルはマイセンだったのです。
1750年前後にマイセンでデビュー。あのブルーオニオンに遅れること約10年ということになります。
ブルーオニオン同様、修正のできないコバルト下絵付け。しかもフルーテッドのレリーフが深い。
見た目よりもペインター泣かせの文様です。
マイセン 麦わら菊img_01  洋食器の創美
こちらがティーポット・シュガー・クリーマー・ティーカップ&ソーサーとケーキ皿。フルーテッドの地模様は同じですが形はロイヤルコペンハーゲンとはかなり違います。
1700年代後半の人気はこちらの麦わら菊ブルーオニオンを圧倒していたそうです。
ブルーオニオンのほうが発表は先ですが人気がでたのはずいぶん後のことで1800年代にはいってから。そのころにはもうあちこちに窯があってみんなが「今この模様で作ったら売れる」っていうんでバンバン真似されたのは有名な話です。
それからさすがのマイセンも危機感がでて文様のなかにも双剣のマークを入れるようにしたんですね。
ですから双剣マークが文様にはなくて底にだけっていうブルーオニオンのアンティークがあったらそれはかなり希少です。大事にして下さい。
ちょっと話がブルーオニオンに脱線しました。
裏管理人、今、ほんとうに「今」ひらめきました。
マイセン 麦わら菊 プレート  洋食器の創美
麦わら菊にも文様の中に双剣マークがあります(拡大してみてください)。
これってきっとロイヤルコペンハーゲンにパターンを譲ってからのことではないでしょうか。差別化するために。
ロイヤルコペンハーゲンはブルーフルーテッドプレインは1775年から制作って発表してます。
なので。
もしアンティークの麦わら菊で文様に双剣マークがなければ1750年から1775年の作品といえないでしょうか。ちょっと勝手に興に乗ってしまいました。
とにかく藍色の使いやすいパターンです。それはロイヤルコペンハーゲンでも証明されています。
マイセン 麦わら菊img_02  洋食器の創美
ほら。すてきでしょう。

マイセン スワンサービス

マイセン スワンサービス
-Meissen Swan Service-   decoNo.397185
いわく。
1700年代のヨーロッパ磁器食卓芸術の最高峰。
世界で初めてのサービスセット。
J.J.ケンドラーの傑作。
まさしく「おっしゃる通り」のマイセンのスワンサービスのご紹介です。
マイセン スワン 2004年限定セット  洋食器の創美
こちらは2004年50セット限定版のセットです。2セット扱いました。
マイセン初期の稀代の天才彫刻家ヨハン・ヨアヒム・ケンドラーによってデザインされたサービスセットです。1737年から1741年の4年がかりで2000ピース以上からなる世界初のサービスセットを完成させたそうです。
サービス。
もてなすことができるセット。それを同時に考案したところがすごいと思いませんか。ヨーロッパの食文化に合わせたアイテムのオリジナルといってもいいわけです。ポットやプレート・チューリンなど。
洋食器のルーツ
いつも最初にそれをご説明します。
これはなんとマスタードポット。2004年限定50点。
オーダーした2点とも入荷前にご用命いただいた逸品です。
マイセン スワン 2004年限定 マスタードジャー  洋食器の創美
大きく見えますが容量450ccで小ぶり。なのでよけいにすてき。
「鳥はわたしダメ・・・。」 まあ、そうおっしゃらずに。
クリスチャンにとっては白鳥は純真・慈悲・聖母マリアの象徴です。風と水の象徴でもあります。
当時の財務大臣H.C.ブリュール伯爵の注文でケンドラーが責任者となって制作した2000ピース以上のオリジナルはエルミタージュ美術館とドレスデン陶磁器美術館にその一部が所蔵されています。
マイセン スワン プレート  洋食器の創美
スワンといっても微妙にオリエンタルな点がユニークです。
「水」がテーマになっていて、魚・貝・かたつむりなど水辺の生き物が立体的に表現されています。
ティーカップのハンドル。マイセン スワン コーヒーカップ&ソーサーNo2_03  洋食器の創美
もうひとつ。裏管理人なりの初期マイセン解釈からのうんちく。
西洋で初めてベットガーが硬質磁器焼成に成功し、ヘロルトが絵の具と絵付けを開発し、ケンドラーが造形を考案し・・・。彼らがいなかったら今のマイセンはあり得ません。
意外なことにヘロルトとケンドラーはあまり仲が良くなかったといわれています。
力を合わせて。じゃなかったようです。
両雄並び立たず。天才同士。
ケンドラーは絵付師でもあったヘロルトが少しでも絵付けしにくい形を考えて発表したということです。
このスワンサービスはその最たるものと思います。描くスペースありません。
それをうけて必要最小限で最大の効果をだす絵付けをデザインするヘロルト。
結果オーライ。工夫が芸術性を高めます。実力者同士の切磋琢磨。
そういう目でもう一度ご覧ください。
マイセン スワン ティーカップ&ソーサーNo2  洋食器の創美
マイセン スワン ティーカップ&ソーサーNo2_02  洋食器の創美
常時現品在庫があるとは限りませんが、
品番が確定できればスワンサービスはほとんどのアイテムが発注可能です。
洋食器のオリジナルとして1客から。おすすめです。

マイセン 真夏の夜の夢

マイセン真夏の夜の夢(デコレーションNo680691)
シェイクスピアの戯曲ミッドサマーナイツドリームを題材にした千夜一夜物語と並ぶハインツ・ヴェルナーの代表作の一つです。
メルヘンチックな画風とヴェルナー独特の淡いパステルの色彩のバランスがとってもすてきで、女性には千夜一夜よりこちらの方が人気です。
といいながら、
男性のお客様にティー・コーヒーサービスのフルセットをご用命いただいたことが二回あります。
マイセンっていう男性的なイメージに可愛く描かれる登場人物や妖精に惹かれるんでしょうね。
真夏の夜の夢10pcs 洋食器の創美
ミッドサマーは夏至のこと。
ヨーロッパでは一年で一番短い夜に妖精たちの力が高まって森で祝祭が開かれると言われます。
花の輪舞とも呼ばれるこのパターンは夏至の夜、妖精の森での4人の恋仲の男女と妖精の王オベロン・王妃ティターニア、いたずら妖精パックや6人の職人たちがくりひろげる物語(場面)をヴェルナーのセンスでデザインした作品です。
戯曲のあらすじを知っておくと楽しみがぐっと広がりますよ。
ペン画も多用されペインター泣かせの真夏の夜の夢は個人用サービスに12種類ずつのモチーフがあります。
洋食器の創美(Sohbi)では全カタログから選んで発注可能です。
1点単位から30%OFFでOKです。
真夏の夜の夢 図録 洋食器の創美
わかりにくいですがこれが図録のコーヒーカップ&ソーサー12種類のページ。
12種類のなかから自由にピックアップできるショップはなかなかありません。
選ぶときのお客様はほんとうに楽しそうで、こちらも商売を忘れてあれこれ参加してしまうのがパターンです。
ただし、
1年はふつうにかかります。2年弱かかったこともあります(汗)。
テーブルサービスだけでなく、人形やプラーク陶板)も数多く作られていてマイセン内での位置付けも高いことが伺えます。
マイセン ティターニアとツェトル像 洋食器の創美  マイセン オベロン像 洋食器の創美
左がティターニアとツェトル像惚れ薬を塗られたティターニアが頭をロバにされた職人ボトムに言い寄るところをペーター・シュトラングが見事に時間を止めてみせました。
磁器でつけられたティターニアの睫毛。絶品です。
下はやはりPシュトラングによるオベロン像です。
マイセン陶板 ティターニア 洋食器の創美
マイセン陶板 オベロン 洋食器の創美
こちらはオベロンとティターニアのプラーク(陶板)。
絶対に両方飾りたくなるので、「お客様泣かせ:販売員嬉しい」作品です。
出窓をはさんで両脇の壁に飾られたお客様のお宅を拝見したときは店で見るよりはるかにすばらしくて感動しました。
マイセン 真夏の夜の夢 洋食器の創美
この写真の前にあるのは昔の型のリキュールセットに真夏の夜の夢が描かれた希少品です。
最後にコーヒーカップ&ソーサーの5番8番のモチーフをご覧ください。
左右対称に飾りたいときにいい組み合わせでしょう。
マイセン 真夏の夜の夢 コーヒーカップ&ソーサー08 洋食器の創美  マイセン 真夏の夜の夢 コーヒーカップ&ソーサー08a 洋食器の創美
マイセン 真夏の夜の夢 コーヒーカップ&ソーサー05 洋食器の創美  マイセン 真夏の夜の夢 コーヒーカップ&ソーサー05a 洋食器の創美
どれでもお取寄せ可能です。もちろん運よく在庫がある場合も。
お気軽にお問合せ下さい。