モーゼル(Moser) その2

Moser -Czech- since1857
チェコのモーゼル続編です。
さてさて「カリクリスタル」の特徴をご説明しなければなりません。
軽い・硬い
これに尽きます。
薬品への耐性が強力なことも特徴のひとつで腐食させるエッチング技法などは通用しません。
この真反対の特徴をもつのがバカラなどの「レッド(鉛)クリスタル」。
ローハンやパルメは薬品による腐食を利用したエッチング技法になります。
モーゼルはカリクリスタルですから
硬いので加工がたいへんです。
そのかわりマイスターによるエングレイブ(彫刻)の繊細さは他の追随を許しません。
モーゼル マハラニ ワイングラス_01  洋食器の創美 マハラニのワイングラス。
髪の毛より細い超絶エングレーブ!!
硬いからこそ精緻な加工が可能なのです。
フラワーベースなど大物も手作業。モーゼル ベース_01  洋食器の創美
面取りはファセットカットで仕上げます。
丸テーブルのような大きな回転盤にたくましい腕の職人が押し当てて削ります。
まずまずとにかくすべてにおいて手作りです。
吹きガラス、木型での成形、面取りのファセットカット、深~いエングレーブ、細か~いエングレーブ、金彩、金磨き・・・。
モーゼル ベース_02  洋食器の創美 ファセットカットと深~いエングレーブのアールヌーボーの花器。
  1936年デザインのモーツァルト。モーゼル モーツァルト  洋食器の創美
手にとるとその軽さに誰もが驚きの声を上げます。飲み物の重さだけを実感していただくのです。
軽さと硬さ。
モーゼルは加工が困難なカリガラスの道を選んだことでより技術を進歩させたわけです。
少量生産ですがそこがまた魅力。
世界中のほんとのセレブ御用達工房なのです。
その独自のカラーにつてはまた次回。

マリアテレジア Maria Theresia (5098)

アウガルテンのマリアテレジア
裏管理人が最初に魅せられた洋食器がアウガルテンのマリアテレジアでした。そのことはウィンナーローズの記事で独白済みです。
AUGARTEN。
マイセンに次ぐヨーロッパの名窯は1718年にウィーン磁器工房としてその歴史が始まります。
1744年にはハプスブルグ家当主マリアテレジアの勅命により直属窯となります。
このときハプスブルグ家の盾の紋章の使用が正式に認められたわけです。
アウガルテン 窯印  洋食器の創美実際にはそれまでさんざん使われて鑑定泣かせのウィーン窯。
最高の支援者マリアテレジアの狩猟用のアウガルテン宮殿の調度品として納められた
のがこちら。
アウガルテン マリアテレジア_02  洋食器の創美清潔感あふれる気品。
狩猟好きのマリアテレジアのために狩猟を表わすもみの木のグリーンを基調にした名品です。
白磁の美しさと見事に調和したシンプルで格調の高いお姿。
   花のモチーフは6種類。
        アウガルテン マリアテレジア_a  洋食器の創美アウガルテン マリアテレジア_b  洋食器の創美アウガルテン マリアテレジア_c  洋食器の創美
        アウガルテン マリアテレジア_d  洋食器の創美アウガルテン マリアテレジア_e  洋食器の創美アウガルテン マリアテレジア_f  洋食器の創美
           上段左からA:Rose、B:Daisy、C:Dog Rose
           下段左からD:Strawflower、E:Narcissus、F:Violet
もちろん絵柄のご指定も可能です。

モーゼル(Moser) その1

Moser since1857 Czech
今年で150周年。
全国で記念イベントが催されています。
モーゼル パンジー/コンスタンス  洋食器の創美 150周年限定復刻品(左:Pansy1906年・右:Constance1903年)。
酸化鉛を24%以上含むガラスを「クリスタル」と呼びます。もともとは「水晶」のようなガラスという意味だったはずですが今はそういう区別になっています。
みなさんよくご存知の「バカラ」はクリスタルを代表する工房です。
モーゼルはカリガラス。
鉛を入れて透明度と屈折率を上げることよりもブナの木の灰を入れて高品質なガラスを作ることにこだわったわけです。
その透明度は限りなく天然水晶に近く、「カリクリスタル」ともいわれます。
モーゼル ディプロマット  洋食器の創美 自然の素材のエコロジー。時代の先端をいってます(笑)。
でも真剣に考えると製品にはまったく問題ありませんが「鉛」を使うって・・・。
どうしても工場から漏れたりとか。
金属酸化物の磁器用絵の具も環境問題で使えなくなった色があるように。
大丈夫なんでしょうか。バカラさんは。
また脱線して前置きダラダラ申し訳ありません。
ですので以前に「モーゼル」語ると長くなると申し上げました(開き直り)。
その2へ続く。。
たぶんその3.とか4.も。。。

そろえる数

6客?
初めての洋食器」で「勝負食器」をそろえておくのも本来の醍醐味みたいなことを口走りました。
では何人分そろえればいいの?って。
洋食器は6客、和食器は5客。
でも「なにゆえ?」
ウェッジウッド インディア ティーカップ&ソーサー6客セット  洋食器の創美15年くらい前までは贈り物も6客セットが主流でした。
6客というより偶数ですね。
アメリカではスターターセットは4客(4人分)。さすがに合理的です。
社会的地位も高くなってお付き合いがふえたらまた4客足して8客。さらに4客で12客。
1ダース!
12進法文化の欧州育ちだからでしょうか。6=半ダース。
マイセン Aヘルテン ボール  洋食器の創美 カラーバリエーションも6色。マイセンクリスタル アンティークスタイル タンブラー各色  洋食器の創美
和食器は本来そろえないで主(あるじ)超お気に入りのコーディネイト?(想像です)
1点1点の価値重視で奇数?(推測です)
半ダースに対抗して10進法の半分で5?(妄想です)
裏管理人は、
「欧米はとにかく夫婦単位なので偶数なのですよ。きっと。」
「6客あっても合計3組。ご来客2組。」
ってご説明してきました。
「欧米かっ!」
おもてなし用にそろえるならまず4客がおすすめです。6客なかなか使いこなせません。
その分、グレードアップ1.5倍。
またはサラダソーサーなどバージョンアップに1.5倍使えます。

次長フル回転!!

このブログ開設まもないころにネットショップメンバーを独断でご紹介しましたが、
今日はハリネズミ次長の新記録の発表です!
銀座店仕込の「超速美観完璧包装梱包発送」ギネス!!
昨日の土曜日は裏管理人、ハムスター、ハリネズミの陣容で臨んだネットショップでしたが梱包発送部隊はハリネズミ隊長ただ一人。
計画通りとはいえ急なご用命も承ってうれしい悲鳴です。
「それでしたら在庫もございますので今日中にお出ししましょう。」とか平気で裏管理人はいい子になりますからたいへんです(笑)。
そんななか95セットと55セットの引出物を一人で一日で準備しちゃってました(拍手)。
引出物ご配送_01  洋食器の創美後ろの箱も隊長の仕業です。
おめでとうございます。ありがとうございます。
ウェッジウッドのワイルドストロベリーのワイングラスペアとボヘミアのローラのワイングラスペアでしたから一番手間がかかります。
中包みと詰め物に始まって…。
引出物ご配送_02  洋食器の創美
包装紙が傷まないように必ずさらにミラーマットで包んでから箱詰めします。
当然ですが一切手抜きはありません。引出物ご配送_03  洋食器の創美
観察してると(手伝えって。)、包むの早い=包むのきれい。
実店舗で鍛えられているので安心です。
余裕?
実は全員てんぱってます。が。去年の今頃のことを思うと感謝感謝感謝でつらくは無いのです。ほんとです。
みなさまのおかげです。

カールスバードのブルーオニオン

チェコのブルーオニオン
ブルーオニオンのパターンはいろいろな窯が作っています。
もちろんオリジナルはマイセンで手描きのブルーオニオンはマイセンだけです。そのことは以前にご紹介しましたね。
数あるブルーオニオンの中でチェコの「カールスバード」を採り上げたのには理由があります。
それはアイテム数の豊富さがポイント。
カールスバード ブルーオニオン ディナーセット  洋食器の創美これはカールスバード。
裏管理人は親愛の情をこめて「カール君」と呼んでいます。
マイセンでここまでそろえるのは相当の覚悟が必要です。おもてなしにも日常使いにも楽しむなら「カール君におまかせください」。
カールスバード ブルーオニオン マルチボールセット  洋食器の創美どちらも人気アイテムカールスバード ブルーオニオン スープカップ&ソーサー  洋食器の創美
左のマルチボールセットはちょっと他の窯にはありません。右のスープカップ&ソーサーも見つけるのがけっこうたいへん。「カール君」なら定番です。
カールスバード ブルーオニオン マグペア_01  洋食器の創美 贈り物用アイテムだってブランドボッスクス付です。
なかなか魅力的でしょう。
「マイセンのコピー」とか「マイセンの偽物」とか口さがない言い方はおかしいです。
カールスバード ブルーオニオン ケーキ皿img  洋食器の創美
ほらね。
使う方次第なのです。

カルパネリ CARPANELLI

「カルパネリ」。
突然ですが。
洋食器の創美は一部の店舗でイタリアンクラシック家具も扱っています。
‘Italian Classic Furniture’というカテゴリーです。
なかでも1919年設立の”CARPANELLI”はすばらしい仕上がり。工芸品の域に達しています。
曲線・曲面の妙。
カルパネリ_03  洋食器の創美
もともとキャビネットメーカーだったカルパネリはいまやヨーロッパ高級家具の地位を確立しています。
「もう食器や置物買っても置くところも入れるところもないの。」
「どうぞ。どうぞ。ご覧下さいませ。」
       カルパネリ_01  洋食器の創美カルパネリ_02  洋食器の創美
こんなすごいのもイタリアから運ばせちゃってます・・・。ど~ん。
カルパネリ_04  洋食器の創美 福岡店でご覧いただけます。
あと1点は府中店のお得意様のご自宅(邸宅)に。入ること自体すごいと思いません?
イタリアの家具ってデザインのセンスはいいけど仕上げが雑。ってイメージありますでしょう?
カルパネリは違います。
カルパネリ_05  洋食器の創美
細部にわたって職人技の仕上がりぶり。
洋食器の創美の提案 ’Little Europe in your life’の一環なのでした。

はじめての洋食器

ティーカップにコーヒーカップ。
といえばどちらのお宅にも必ず何客かはありますね。
人それぞれだと思いますが「揃える」っていう感覚ありますでしょうか?
「お嫁入り道具」としてお支度?するお客様もいらっしゃいます。
個人で楽しんでその楽しみを分かち合うのがトレンドです。ってなんどもご案内していますが、
「ご来客へのおもてなし用」としての初めての洋食器ってどうでしょう?
それはそれでけっこうワクワクします。
もともとそういうサービスのために250年以上かけて考案されているわけですから。
ウェッジウッド フロレンティーンターコイズ セッティング_01  洋食器の創美サービスする喜び。マイセン ブルーオニオン img04_洋食器の創美楽しい時間。
6人分の必要はありませんが1セットはそろえておきたいですね。
カップ&ソーサーとケーキ皿を人数分とBBプレートのような盛り皿1枚くらいから。
ちょっとグレードの高いシリーズで頑張るほうがかえってお使いになる機会が増えます。
永く愛用できます。その意味合いは。
ヘレンド インドの華 テーブルセッティング  洋食器の創美
「勝負食器」。

グレンミスト Glen Mist

今日はとても嬉しいご紹介です。
このブログをきっかけにすてきな洋食器ファンの方とご縁がありました。
ご結婚の際にお揃えになられた貴重なウェッジウッドのグレンミストのお写真まで頂戴いたしました。
裏管理人は勉強不足でした。
今のトラディショナルシェイプの前にこんなすてきなシェイプがあったとは。
ウェッジウッド グレンミスト_spl  洋食器の創美今は製造されていないシェイプです。
ハンティングシーンのインペリアルシェイプに似ていますがカップのハンドルの形とポットのフタのつまみが明らかに異なります。
パターンは生きていますが型自体が完全な廃盤ということですね。
スージークーパーは筒型を好みましたからそれに合わせたフォルムだったのでしょうか。
ウェッジウッド グレンミスト ティーカップ&ソーサー(リー)  洋食器の創美
おなじみはこちらですね。
今回はブログの記事から楽しいメールのやり取りまでできた上に新たな発見までありました。
すごく嬉しいです。
M様、ほんとうにありがとうございます!!
貴重なウェッジウッドのグレンミスト。大事になさってください。

ウェッジウッドのコロシアム

ウェッジウッドで「白」といえば・・・。
みなさん最初に思い浮かぶのはなにでしょう?
ホワイトチャイナ、カントリーウェア、ナンタケット。とかが出てくる貴女は相当な洋食器歴。
裏管理人もたじたじです。
ストロベリー&バイン、ナイト&デイ、ネイチャー。このあたりが現役主流派でしょうか。
で。裏管理人もうっかりご紹介漏れしていた子がいました。
10年以上前に発表されてあまり目立たないけれどしっかりファンをつかんでいるのが
コロシアム

ウェッジウッド コロシアム_01  洋食器の創美
古代ローマ時代の円形闘技場Colosseo。
洋食器の創美のヨーロッパ研修で訪れたときに裏管理人は心から感動しました。
とにかく圧倒されちゃったんですね。石文化に。だって完全ではないにしろそのときのまま残ってるってすごい。
久々の脱線です。
今では「田園コロシアム」とか競技場の意味になっていますね。
このシンプルで力強いレリーフとコロシアムという名前でギリシア・ローマ時代にまで想像をふくらませてしまうのは裏管理人だけ?
マグカップもなかなか。ウェッジウッド コロシアム マグ  洋食器の創美
ウェッジウッド コロシアム BBプレート  洋食器の創美
一時は引出物といえばコロシアムのBB!!でした。かえって今なら新鮮でおすすめです。
もちろん白のよさで日常使いにもすてき。
ウェッジウッド コロシアム_02  洋食器の創美