ヘレンドのウェールズ

HEREND Wales
二重構造に透かし技法のとんでもない食器があります。
限りなく繊細なオープンワークのアンティークのカップ&ソーサーは見たことがありますが
なんとそれはほんとにオープンワークでしたからそのカップで直接紅茶をいただくことは
できません。
茶漉し状態の装飾品ですね。
ヘレンドのウェールズがすごいのは二重構造で飲み物もいただける点です。
ヘレンド ウェルズ_2  洋食器の創美
 カップもソーサーも空洞があるわけです。
 どうやって洗うの?
 とかは別世界の話です。
 色使いと形状はシノワズリ。
 お正月っぽいイメージです。
 な~んか「千と千尋」思い出しちゃうのは
 裏管理人だけでしょうか?
日本が公式初参加したウィーン博覧会の際に開催国のフランツ・ヨーゼフⅠが英国の
プリンス・オブ・ウェールズ(のちのエドワードⅦです)に贈ったことで
その名もWalesとなったそうです。
ウィーン博は1873年。
シノワズリの発表で一躍有名になったパリ博の直後が地元ウィーンでの博覧会だった
ことはヘレンドにとってたいへんなメリットだったと思います。
 気合入ってたでしょうね~。
ヘレンド ウェルズ_5  洋食器の創美
 オーストリア=ハンガリー帝国を代表して
 贈り物の任を賜ったわけですから。
 外交関係にもおよぶ国家レベルの行事。
 ヘレンドのウェールズはキャニスターが
 有名で、こちらのカップやポット類はほん
 とうに希少アイテムです。
 
びっくりするような作品。
いくらでもありますね。

KPMベルリン ノイジェラット

KPM Neuzierat dekor56
今日はこのブログをご愛読いただいている洋食器ファンの方からのご質問におこたえ
する意味もふくめてノイジェラットふたたび。
KPMのノイジェラット56。
お気に入りの一つなのでKPMの最初のご紹介でも登場させました。
KPMベルリン ノイジェラット56_01  洋食器の創美
 1764年に発表されたロココ様式のシェイプです。
 絵柄のメインを囲むようにデザインされた蔦の葉
 レリーフの装飾やハンドルがロココしています。
 最初の記事でのご説明通りKPMではシェイプ名
 にデコレーションNoをつけたのがシリーズ名。
ノイジェラット(=新しい装飾という意味です)発表の20年後の1784年ににこちらの
56番が作られています。
おそらくそのころにこの独特のブルーの絵の具が開発されたのでしょうね。
フリードリヒ大王が特に気に入っていた名品です。
        KPMベルリン ノイジェラット56_03  洋食器の創美 KPMベルリン ノイジェラット56_02  洋食器の創美
        左:ティーカップ&ソーサーとデザートプレート19.5cm
        右:モカカップ&ソーサー
ティーもコーヒーもモカもカップが小ぶりで気品があります。
とくにティーカップは130ccとなっていてコーヒーと兼用できるくらいです。
ノイジェラットを調べていてたった今もうひとつの発見がありました。
Design:Friedrich Elias Meyerとなっているんです。
ロココの申し子エリアス・マイヤーといえばマイセン創世記のケンドラーの片腕として
大活躍した造形家です。すてきな人形の作品を数多く残しています。
ノイジェラット発表の1764年は彼が40歳。
う~む。
同一人物ならマイセンにいたのが先なのは確実ですからベトガーが手元から離れた
腹いせにフリードリヒ大王が引き抜いたのでしょうか。
それとも交流があったのでしょうか。
いろいろありますね。
■Cr様 
取り扱ってはおりますが現在は全品受注発注体制となっています。
ラインアップされている13種類のアイテムすべて発注可能です。
描いてもらうっていう感じですね。
詳しくはメールフォームでお問い合わせくださいませ。

マイセン 狩人のほら話

Meissen Jagerlatein decoNo682110
「狩人のほら話」とか「猟師の自慢話」とか。
下絵付けと上絵付けのことをご説明したときにちらっと登場したシリーズです。
ハインツ・ヴェルナーが1973年に世に問いました。
マイセン 狩人のはら話_01  洋食器の創美
1700年代から「狩猟画」はひとつのジャンルとなっていました。
ヨーロッパの王侯貴族にとって「狩猟」は趣味かつ訓練かつ自然調査かつ犬馬自慢かつ
交流の場でしたから受けが良かったんでしょうね。
狩猟がモチーフになったフィギアも数多く作られていますがどうしても血なまぐさいデザイン
でなかなか好みの分かれるところです。
それを希代の天才デザイナー兼磁器絵付師H.ヴェルナーが考案するとこうなるわけです。
マイセン 狩人のほら話 モカカップ&ソーサー4  洋食器の創美
 個人用アイテムには6種類のモチーフがあって
 こちらは4番のモカカップ&ソーサー(100cc)。
 モカカップ&ソーサーとプレート16cmにモカポット、
 モカシュガー、モカクリーマーだけの超贅沢なシ
 リーズです。
 上の写真でフルラインアップです。
ブルーオーキッドやアラビアンナイトとはハンドルのデザインが違っているのがお分かりで
しょうか。
このデコレーションだけのための形っていうことです。すごいことでしょう。
もうひとつすごいのが絵付け記事でご紹介しましたように
「酸化クロムの緑」による下絵付けと上絵付けに金彩絵付けで描かれる点。
ユニークで秀逸なデザインであるだけでなく超高度絵付け技法が要求されます。
ペインター泣かせの傑作です。
限定シェイプに一点ごとのモチーフに特殊な絵付け技法。
まずまずとんでもなくコストのかかる定番アイテムです。
マイセン プラーク(陶板) 狩人のほら話  洋食器の創美
 特徴的なデコレーションですので陶板や置物に
 用いられることもしばしば。
 空間の使い方が親日家のヴェルナーしてます。
 
 ぶどうを愛するマイセン市民の色でもあるグリーン
 (ヴァインリーフの緑)を活かした作品ですね。
ちっちゃいのに高額なわけがお分かりいただけました?

ブルーフルーテッド ハーフレース ゴールド?

アンティーク ロイヤルコペンハーゲン
一度ブルーフルーテッドフルレースのアンティークをご紹介しましたが、今日はハーフ
レースのアンティークです。
昨日の藤沢店のアンティーク展に入荷していたのを例のケータイで。
縁に金彩が施されていましたので勝手に「ゴールド」とか付けちゃいました。
  アンティークロイヤルコペンハーゲン ハーフレース_1  洋食器の創美  アンティークロイヤルコペンハーゲン ハーフレース_3  洋食器の創美
  コーヒーカップ&ソーサーと17cmプレートの3pcs。
  6組ありましたがみんなとてもいいコンディションでした。
  ケータイなので肝心の金彩の縁取りが見えにくいですね。
定番というわけではなくて「発注元のリクエストにお応えして」とか「ちょっと豪華にこう
いうのいかがでしょう」みたいな感じで作ったのでしょうか?
と思います。
コバルトの単彩と意外とマッチして上品なたたずまいです。
カップの裏はこんなです。
アンティークロイヤルコペンハーゲン ハーフレース_2  洋食器の創美
 1922年-1934年に作られたものです。
 ROYAL COPENHAGENのどのアルファベットの上下
 にも バーがないからそうなります。
 金彩も同時か否かは不明としか言えません。
 719というのはハーフレースのコーヒーカップ&ソー
 サーを表す旧品番です。
 今はハーフレースの068。
 「ハーフレースの」ってつけないと確定できません。
手描きの品番は単品レベルの品番だったんです。
洋食器の創美が創業のころはみんなまだこの旧品番でした。
ハーフレースのもう一回り大きいコーヒーカップ&ソーサー(現071)が756でティーカップ&
ソーサー(現080)は525でした。
確かフルレースのティーが1130だったと。
店舗同士のやり取りも「756中間色ある?」とか1.5秒で済みました。
分数のようになって上が1なのはフルーテッド全部がそうだったと思います。
確か最初のデザインということで1だとか。
話がそれましたがロイヤルコペンハーゲンもつい最近までペインターが1ピースごとに品番
も記していたということもお伝えしたかったんです。
そういえば共通で組み合わされるソーサーにはご丁寧に全部のカップの品番が描かれてい
て一目でわかって親切だったんですよ。
よくお使いの方ほど旧品番のアイテムが多いと思います。
ちょっと裏返して確認してみてくださいね。

カールスバードのブルーオニオンその2

カールスバードのブルーオニオン裏管理人通称「カール君」はご紹介済みです。
一部重複して心苦しいですがどうしても再登場させたいアイテムがあります。
 これです。
カールスバード ブルーオニオン マルチボールセット  洋食器の創美
 マルチボールセット。 
 とにかくこの時期、わがネットショップ超絶人気です。
 もうお正月にぴったりだからでしょうね。
 右手前はソルト・ペッパー用の別アイテムです。
この洋食器にはないようなアイテムがあるところもカール君の魅力です。
ヨーロッパテーブルウェアで似たようなアイテムといえば組み合わせて使うオードブル
ディッシュがありますね。
カールスバード ブルーオニオン ボール14cm6pcs  洋食器の創美 カールスバード ブルーオニオン スパイス  洋食器の創美
左も人気のボール14cm6枚セット
右は新人その名も「調味料スタンドセット」と丸タンブラー。焼酎いけます。
なかなかいいでしょう?
「カール君」実はけっこうお気に入りなんです。

藤沢店クリスタル&アンティーク展

今日から18日の火曜日まで、
洋食器の創美藤沢名店ビル店で「クリスタル&アンティーク展」開催中です。
例によって初日の本日は久々にお手伝いで入店しています。
ようやくちょっと手が空きましたので品揃えの雰囲気だけでもご案内させてください。
       藤沢CA_02 藤沢CA_1
左が今日のブログ記事のマイセンクリスタルのロンドンフラワーコーナー。
右はチェコのエーゲルマン。
       藤沢CA_5 藤沢CA_6
ど~ん。
モーゼルコーナーです。右の写真の最下段はずら~っとアンティークのカップ&ソーサー。
       藤沢CA_3 藤沢_4  洋食器の創美
これぜんぶアンティークです。
扉もなにもありませんからほんとにお気軽にご覧いただけます。
一棚に平気で300万円分以上乗っかってたりします。
じっくり見てみたい作品はテーブルに移してゆっくりご鑑賞。
どうしても欲しくなったらご相談(笑)。
18日(火)まで6日間限りです。

マイセンクリスタル ロンドンフラワー

Meissener Bleikristall ’London mit Blume’
昨日ボヘミア500PKのフラワーベースをご紹介しましたが、
マイセンクリスタルもすてきな花器がたくさんあります。
被せ色クリスタルにエングレーブ(彫刻)花模様とシャープなカットを組み合わせたロンドン
フラワーというシリーズが秀逸です。
アイテム数は数百種類。
      マイセンクリスタル ロンドンフラワー ベース_img01  洋食器の創美 マイセンクリスタル ロンドンフラワー ベース_img02  洋食器の創美
      デザインも豊富でそれぞれにサイズとカラーのバリエーションがあります。
ブルー・レッド・グリーン・アンバー・ライラック・ライトグリーンを基本に最近はライトブルー
やカッパーレッドなどのカラーも登場しています。
マイセンクリスタル ロンドンフラワー ベース各種  洋食器の創美
 1年半にしてようやく先日ネットショップにも一部アップ
 しました。
 
 洋食器の創美の扱いアイテム数はロンドンフラワー
 だけで350アイテム以上です。
 バラエティ豊かですからとどまることがありません。
こんなテーブルウェアもすてきです。
マイセンクリスタル ロンドンフラワー プレート  洋食器の創美 マイセンクリスタル ロンドンフラワー ボール  洋食器の創美
プレートとボール。
こちらも各種サイズと形がいろいろあります。
ヨーロッパ発カラードクリスタルのテーブルウェアはなかなかありませんからおすすめ
ですね。
ネットショップのグラスウェアはこちら。
花器はこちら。
ボール等はこちらです。
増殖中です。

ボヘミア 500PK

BOHEMIA 500PK
ボヘミアはチェコの中西部の古い呼び名です。
日本でいうと紀州や尾張ってとこでしょうか。もっと広いですが。
洋食器を扱う創美ではガラス製品のことになります。
クリスタルもカリガラスもありますが、
「ボヘミア」といって知れ渡っているのはボヘミアクリスタルの500PKシリーズではない
でしょうか。
    ボヘミア 500pk_img02  洋食器の創美 ボヘミア 500PK img01  洋食器の創美
ボヘミアのデザイナーL.プロストジェドニークが1900年代初めに500番目に考案したカット
ということで「500PK」と呼ばれています。
この繊細なレースカットはこれ以上のカットは実用上不可能とされています。
ボヘミアにはガラス工房が大小無数にあって同じアイテムでも別々の工房製があります。
このレベルの製品を作れる工房がいっぱいあるってすごいことですね。
伝統的地域産業のイメージですね。日本の伝統工芸品などにあてはめるとわかる気が
します。
ボヘミア 500pk_vases  洋食器の創美
 グラスウェアももちろんすてきですが500PKの魅力
 はなんといってもフラワーベース。
 迫力あります。
 左の一輪挿しはちょっとした贈り物におすすめです。
 ご予算が合えば裏管理人「新築祝い」100%推奨品。
好き嫌いがあまりありません。
花を活けていなくてもインテリアとしても通用します。
さらに洋食器の創美なら格安です。

ディナーセット

4人用48ピースフルディナーセット。
最近縁遠くなったフレーズです。
カップ&ソーサー、デザート皿、ディナー皿、スプーン、フォーク、ナイフ、ナプキンリングが
各4人分で32ピース(数え方はもうご承知ですよね。パーツも1ピースです)。
ポット・シュガー・クリーマー・足つきケーキプレートのティーサービスアイテムで6ピース。
ソースボートスタンド、スープチューリン、手付きサービスディッシュのラウンドとオーバル、
ふつうのオーバルディッシュ、スクエアサラダボール、レードル、
さらにキャンドルスタンドのペア。
ふ~っ。これで10ピース。
ロイター ティー&ディナーセット_01  洋食器の創美
 さらにこのようなケース付きです。
 だらだらとご案内したアイテムがここにぜ~んぶ
 収まっています。
 ケースのサイズは10×14.5×h9.5。
 サイズの単位は’cm’です(笑)。
 そうです。ごめんなさい。ミニチュアです。
以前ご紹介したロイターのミニチュア陶器のディナーセットです。
担当バイヤーに意見を聞かれて「洋食器専門店なんだから」とカタログから洋食器のアイ
テムを物色していて選びました。入ってきました。
じゃ~ん。こんな感じです。ロイター ティー&ディナーセット_04  洋食器の創美
デザート皿の直径2cm!! 1/10スケールってとこです。
     
     ブルーオニオンゴールドとローズバンドの2パターンご用意いたしました。
     ロイター ティー&ディナーセット_02  洋食器の創美 ロイター ティー&ディナーセット_03  洋食器の創美
     こだわりの手作り。
     だって焼き物なんですよ。
     プラッチック(関西風)ではありません。
     細部にこだわるドイツ人気質が表れています。
ネットショップで一度ご覧ください。いろいろあって面白いですよ。
裏管理人の思いつき一言付きでアップしています。
ご来客の多い年末年始におすすめです(笑)。

ロイヤルコペンハーゲン ブルーフラワー

ROYAL COPENHAGEN  Blue Flower
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドについては麦わら菊そっくりさん記事
ブルーフルーテッドの記事で何回かご紹介しましたね。
ロイヤルコペンハーゲンのコバルトのアンダーグレイズ(下絵付けの青絵)でもうひとつの
代表的なパターンがブルーフラワーです。
1779年発表ですからブルーフルーテッドのハーフレースやフルーレースより100年以上
先輩です。
     ロイヤルコペンハーゲン ブルーフラワープレイン  洋食器の創美 ロイヤルコペンハーゲン ブルーフラワーカーブ_01 洋食器の創美
     左がブレイデッド(プレイン)、右がカーブ。
違いがおわかりでしょうか。
braidedは「編んだ」、curvedは「曲線の」。そうです、まず地紋というかレリーフが異なり
ます。ブレイデッド(プレイン)は縁にボーダー状の編みこみ文様があります。カーブは流れ
るような地模様です(ベッキオホワイトとよく似ています)。
     絵付けも違います。
     ロイヤルコペンハーゲン ブルーフラワープレイン_02  洋食器の創美 ロイヤルコペンハーゲン ブルーフラワーカーブ_02  洋食器の創美
     左ブレイデッド(プレイン)、右カーブ。
どちらも25cmのプレートですが右のカーブの方が絵付けが多いでしょう?
プレートやディッシュ類にはこのようにオフセットさせて絵付けされるのがカーブの特徴で
もあります。
カバーのつまみの形状も全然別物となります。
ブーケは、ばら・ポピー・マーガレット・カーネーションなど15-20種類の花からペインターが
選んでアレンジしますので色合いも含めて完全一致するものはまずありません。
違いを楽しむわけですね。
最近はいろいろなバリエーションがでていますが結局はこのオリジナルの一部を使って新
しい提案をしているということです。
ブルーフラワーのブレイデッド(プレイン)とカーブをご紹介しましたがもうひとつ。
裏管理人もお気に入りだったアンギュラ。
正確にはブルーフラワーブレイデッドアンギュラでしょうか。
ご紹介済みのヘンリエッテと同じシェイプです。
ロイヤルコペンハーゲン ブルーフラワーアンギュラ  洋食器の創美
 パターンはブレイデッドと同じです。
 描けないんではなくてこの形を作らなくなった
 から製造中止なんでしょう。
 1830年代にG.F.ヘッチというデザイナーが考案
 した形をA.クローが完成させました。
 angular=「角のある」です。
かっこいいですよね。 
もうずいぶん長い間見かけません。
実はこのブルーフラワーアンギュラのコーヒーカップ&ソーサーが出てきたんですよ!!
今なら洋食器の創美全店にあるはずです。
もちろんネットショップも現品売り切りでアップしています。