early morning tea
英国の喫茶習慣は時間ごとや一緒にいただくものでいろいろに区別され
ています。
アーリーモーニングティー、モーニングティー、アフタヌーンティー、
ハイティー、アフターディナーティー、…。
朝の起きがけのティータイムがアーリーモーニングティー。
こればっかりは採り入れている日本のご家庭はまずないのでは?
部屋までサービスしてくれる人が必要なのが致命的です(笑)。
「お目覚めはいかがですか?」などと言いながらベッドサイドまで運んできて
もらうのが前提ですから。
当然ベッドでいただかねばなりません。
「あら。今日はお天気もいいこと。」などと。
濃い目の熱い紅茶を淹れたポットと温めたカップで優雅に。
ポット・シュガー・クリーマーとカップ&ソーサーに
それが全部のるトレーが基本アイテムでデジュネ
セットとも呼ばれます。
こちらは少し違うセッティングですが右上のポット
は550ccのアーリーモーニングティーポット。
シュガー・クリーマーも小ぶりです。
以前ご紹介した下のティーフォーワンもいいかも。
さすがに英国王室御用達だけあってAynsleyにはティーポット(S)ではなくて
アーリーモーニングティーポットというアイテム名が生きているわけです。
ぜひみなさん日本流・それぞれのご家庭流アーリーモーニングティーに挑戦
してみて下さい。
裏管理人がもし万一ベッドで紅茶を飲んでいたら、「病気なんだ」と判断される
ことは確実です。そもそも布団です(笑)。
ここはベッキオホワイトでしょ!?
今週の休みは同居人とイタリアンレストランでランチタイムでした。
ちょっとした記念日です。
すぐ近所のファミレスに毛が生えたくらいのレストランへ直行。
当然格安ランチコースと単品オーダーの合わせ技つつきあい作戦発動。
食べ散らかしたあとのコースの「おまかせオードブル」。
濃い目の味付けでしたが美味しくいただきました。
どうしてもこういうときに味より器が気になる悲しい性。
ここは絶対ベッキオホワイトのスクエアプレート30cm
がドンピシャかと。
これは26cmと21cmの重ね技。
21cmは超絶人気ですが30cmはかわいそうなくらい動かないです。
ポンポンポンとのっけて「どうぞご自由に。」みたいなサービスにけっこう向いてる
と思います。
ま、ランチコースで本日のピッツァ3種類または本日のパスタ3種類から選ぶところ、
「ピッツァは牡蠣のトマトクリームで、え~とパスタはペンネゴルゴンゾーラ…」と
てっきりどちらもついてくると勘違いするお客では贅沢というものです(笑)。
マイセン幻影
Meissen
Der Sammler ’Utz’ 900300/73530
Sammler=収集家。
ウッツ男爵は当時のチェコスロバキア生まれのマイセン磁器の伝説的なコレクター
で実在した人物です。
死後のコレクションの行方を案じて死の直前に自らすべてを壊したといわれますが
2001年に遺族により一部のコレクションが発見され翌年のサザビーズに出品され
たのは洋食器の世界では有名な話です。
小説にも映画にもなった稀有な人物です。
映画は邦名「マイセン幻影」で日本でも公開されたそうですが残念ながら観ていま
せん。
撮影の際にマイセンは1000点以上の作品を貸し出したそうです。
映画に出てくるウッツ男爵。
コレクションのマイセンの磁器人形を手にとって愛しむ
収集家としての至福の場面。
その時間を現代マイセンの天才彫塑師ペーター・シュト
ラングが止めてみせたのがこちらの作品です。
映画化を記念して1992年に発表された高さ36cmの
マイセン磁器人形。
「マイセン磁器人形で遊ぶマイセン収集家のマイセン
磁器人形」
ということになります。
映画でウッツ男爵を演じた役者によく似ているそうです。
定番化されていて発注可能なところがすごいですね。
洋食器の創美にも何度か入荷しました。
ちなみにウッツ男爵が楽しんでいる人形は「イタリア喜劇」(コメディア・デラルテ)
と呼ばれるカテゴリの有名なマイセン人形です。
人がずっと居ることのない玄関や廊下、踊り場なんかにいいと思いませんか。
怖い?
ウェッジウッド ジャスパーウェア
WEDGWOOD Jasper
うかつにもウェッジウッドのジャスパーをご紹介していませんでした。
ウェッジウッド開窯1759年。
クィーンズウェア(磁器に近い陶器です)の開発でテーブルウェア文化を
中産階級に広めた功績は民窯ウェッジウッドの真骨頂といえます。
その15年後、1万回以上の試行錯誤を経てジャスパーウェアを開発。
みなさんよくご存知の’White on Pale Blue Jasper’の誕生です。
素焼き風味の独特の風合い。
むか~し、百貨店さんの「大英国展」でジャスパーは
使って使ってツルツルになってからがホンモノってウ
ェッジウッドの美しい女性に教わったことがあります。
「汚れたらタワシでごしごし洗ってください」とも。
なめらかな生地になっていくみたいです。
自宅のいただきもののジャスパーのウェッディングプレートもそれを思い出して
クレンザーをつけたタワシでゴシゴシやった覚えがあります。
丈夫なんですね。
ジャスパーといえばウェッジウッドのトレードマークの
「ポートランドの壷」(写真手前)が有名です。
プレステージアイテムもいろいろ作られています。
こちらはジャスパーセージグリーン。
後ろの二点はワイン&ウォータージャグということ
でしたがご覧のように巨大な作品でした。
高さ60cmはあったと記憶しています。
限定品のアラベスクのセット。
こちらはポートランドブルーという色です。
ジャスパーのティーカップといえばちょっと舌触りが気になるし、インテリアとしてお
飾りのかたが多いのではないでしょうか?
一番お伝えしたかったのは「使って使って貴方だけのジャスパーにしてみてください。」
っていうことなのでした。
イースターエッグ
EASTER EGG
キリスト教徒の世界でもっとも重要な日「復活祭」。
イエス・キリストの復活をお祝いする日で「イースター」ともいいますね。
今年は3月23日と4月27日(教会によって違うみたいです)。
その日にいろいろなデコレーションをしたゆで卵をサービスする習慣があります。
色を塗ったり色紙を貼ったり。
イースターエッグです。
洋食器の創美が扱うアイテムにもよく卵の形のものがあります。
しばらく全然理由もわからずにいましたがそういうことだったんですね。
製造中止になったロイヤルコペンハーゲンのその名もイースターエッグ。
何種類かのパターンがありました。
高さ6cm。
ヨーロッパの磁器窯でも王侯への贈り物として腕によりをかけて制作された「卵」が
たくさんあったはずです。
先週の梅田店への応援入店の際の記事でご紹介したモーゼルの’Eggy’もそういう
作品の一つでしょう。
以前こんなにすばらしいアンティークもありました。
アンティークKPM。
どうですこの美しいフォルム。
1800年代のKPMがもっとも得意とする天使絵の
みごとな筆致は他の追随を許しません。
拡大鑑賞推奨品です。
卵型だとついつい両掌で包み込みたくなるのが
不思議です。
割れちゃうところがまた「卵」らしい。
洋食器ではありませんがヨーロッパ磁器文化の奥深さの一つですね。
ミントン シークレットガーデン
MINTON Secret Garden
ミントンのシークレットガーデンは洋食器の創美では昨年初登場。
衝撃の半額デビューで即完売でした。
洋食器の創美ではなんだか一瞬にして通り過ぎたセール品みたいな印象に
なっていますがほのぼの元気が出そうなパターンはとてもいいと思います。
なんといってもその命名がかなりのお気に入り。
「秘密の花園」って(笑)。
やっぱりいいです。
これから春に向けておすすめです。
英国のガーデニングは自然主義が主流です。
種をバラバラっと適当に蒔いて成長に応じてほん
の少しだけ手を加えるとか。
年末にこのブログで少し触れましたが「庭いじり」
に目覚めてきて春が待ち遠しい今日この頃。
いきますよ!!
半額第二弾。完売必至。
ご興味おありでしたらこちらです。
もちろん全国実店舗もOKです。
府中店、津田沼店はとくによろしくお願い申し上げます(笑)。
Limited Masterpieces 2005 Meissen
2005年のマイセン限定品のテーマは「マイスターによる限定品」。
独語で’Limitierte Meisterwerke’。
数々の名品が発表されました。
そのうち洋食器の創美が扱ったのは29種類のべ100点弱にのぼります。
もちろんもうほとんど残っていません。
この年はカップ&ソーサーなどのサービスシェイプ系は少なかったんですが
その中で印象に残っているコーヒーカップ&ソーサーが
これです。
212384/55836 ltd100
Cup&saucer,octagonal,Branches of
fruits and flowers eary style,colored,
cartouche with flower mosaic,cobalt
blue
という長~いスペックになっています。
これが洋食器の創美に来ると
「2005年限定フルーツ八角C/S」という
じつにさっぱりした名前になります(笑)。
地色の白で格子状にみせる藍色の文様はなんと下絵付け。
そしてカルトゥーシュの金彩窓飾りのなかに写実のフルーツ。
見事というほかありません。
マイセンでは三十年以上の経験を前提にその技術を上長に認められて初めて
「マイスター」と呼ばれます。
まさしくマイスターの技が冴え渡る逸品です。
ザビーネ・ワックス その2
マイセンのザビーネ・ワックス女史について
「波の戯れ」シェイプの開発リーダーだったこと。
自然観察からの感性豊かなペインターとしての才能にも秀でていること。
など昨日ご紹介しました。
デザイナーの自由度が高いウニカートや限定品の制作にも精力的です。
芸術家としての感性があらわになるわけです。
こんなふうに。
上段はいわゆるウニカート(本人による一点もの)。
右下は2000年限定DecNo70689(限定50セット)。
あふれ出るインスピレーションとそれを表現する技術。
造形と絵付け両部門にわたる才能をもつS.ワックスだからこそなせる
特徴的な作品群です。
昨日ご紹介したある意味素朴な「森の声」との対比が面白いと思います。
ザビーネ・ワックス
Sabine Wachs (b1960)
現代マイセン発展の原動力となったH.ヴェルナー、P.シュトラングら五人組
の後継者を代表する芸術家の一人がS.ワックス女史。
裏管理人のひとつ下です。
造形も絵付けもこなす女性らしい感性豊かなデザイナーです。
ネットショップでも人気のマイセンのエントリーモデルともいえる
「波の戯れホワイト」の形を考案したのは彼女です。
1995年に何十年ぶりかで発表されたマイセンの新しいサービスシェイプでした。
21世紀に向けてマイセンが三年の月日をかけ
て開発した渾身の新サービスシェイプ。
Wellenspiel(波の戯れ)。
このプロジェクトリーダーがS.ワックスでした。
縁の切り込みのような造形が「波」を表現してい
ます。
さざ波のようなレリーフがあるものとないものが
あります。
ちなみにレリーフ(地模様)をデザインしたのはヨルク・ダニエルシェクです。
カップの口径が真円ではなくてちょっとオフセットしているのも特徴的。
そり具合も絶妙。
以前ご紹介したティーポットがまた超おすすめです。
サービスシェイプを開発しつつ、絵付けにも参画。
農家に居を構え自然を愛する彼女らしい
「森の声」は特に日本で大人気です。
DecoNo614501。
じゃっかんくすませた葉の色合いが特徴。
プレート類は6種類ずつのモチーフが用意
されています。
陶板バージョンもすてきでしょう。
感性豊かなS.ワックスを一気にご紹介するつもりでしたがひとまずこのへんで。
明日続編。
朦朧体
先日の休日に同居人と「没後50年 横山大観展」に行ってきました。
次男坊の今シーズン三回目の受験日にもかかわらず(笑)。
国立新美術館初入館。
乃木坂駅直結でびっくりしました。
連休明けでけっこうな人出でゆっくり鑑賞する
雰囲気ではなかったのが残念ですが想像以上
に迫力ありました。
とにかく大きいんですね。
みなあんなふうなんでしょうか。
美術鑑賞初体験でよくわかりません。
個人的には色絵?より水墨画調の作品に惹か
れました。
線描を控えた大観独特のぼかし技法を「朦朧体」というそうです。
なかには紙の色の透け具合を巧みに使った表現もみられます。
最初はまったく日本の画壇に認められなくて海外に渡り、評価されて戻ってきた
とのこと。
天才葛飾北斎が海外で最高に有名なことといい、ちょっと寂しいですね。
でですね、ハインツ・ヴェルナーです。
水墨画調のブルーオーキッドも相通ずるものがあります。
「朦朧体」。
こちらはマイセン引退後のH.ヴェルナーの直筆絵画です(洋食器の創美大得意♪)。
もちろん画風もタッチも異なりますが洋食器屋のせま~い感覚としては共通性を感じ
ました。
色のついた紙?の地色を活かした画もたくさんあります。
親日家であり日本の芸術に造詣深いH.ヴェルナー若かりし頃、すでに名を馳せていた
大観の画を見たことはじゅうぶんに考えられると思います。
「大観知ってる?」
誰か聞いてみてください。