先日人気のクリスタルペアグラスが相次いで廃番になったことをご報告しましたが、
そのことについて何件かお問合せを頂戴しました。
最近、土日のうらかん直撃問合せが増えてます(笑)。
今日は簡単にガラスのお勉強です。
【ガラスとクリスタルの歴史:超かいつまみ編】
ガラスの起源は古代メソポタミア時代です。
ローマ帝国のお膝元だったイタリアではもともとガラス工芸が盛んだったわけ
ですが、13世紀にはベネチアでガラス工芸の華が咲き乱れます。
技術の流出を防ぐためにムラノ島へ幽閉同然だったガラス職人たち。
初期の創美ではベネチアガラスをよく扱っていました。
これ、ソーダ灰ガラス。
そしてライバル登場。
ガラスの原料になるソーダ灰をイタリアからの輸入に頼っていたボヘミア。
試行錯誤の上、樫やブナの木を燃やした灰がソーダ灰を代用できることを発見し、
独自の製法を推し進めます。
これ、カリガラスまたはカリクリスタル。
さらに400年。
1700年代後半(ようやくヨーロッパ磁器文化も同年表に参加)に鉛を加えることで
透明度を上げる技術が発見され、一気にガラス産業が大発展します。
これ、狭義の意味でのクリスタル。
【注】酸化鉛24%以上を含むガラスをクリスタルと呼びますが、
【注】一般的には透明度の高いガラスをクリスタルと呼んでいます
で、現在に至るわけです。
鉛を使うクリスタルの発明が大量生産につながり、一大発展したガラス産業。
このときに新参したガラス工房は無数といってもいいほどで、既存の工房も手間と
コストがかかり資源が有限なガラスからクリスタルへと続々移行。
それでも頑としてカリクリスタルを選択した工房がありました。
ほとんどが王侯貴族からの受注生産だったロブマイヤーとモーゼル。
究極の技術を要する困難な道の選択。
300年後の環境問題を見通していたわけではもちろんありませんが。
木灰を得るための森林伐採も立派な環境破壊ですし。
EUでのハイテク機器における特定有害物質使用規制ROHSに端を発した「鉛」の問題。
とんだところに影響してきました。
クリスタル製品自体には問題がありませんが企業はシフトせざるを得ないでしょう。
鉛の代わりにチタンやバリウムの化合物を使った無鉛クリスタルもすでに存在する
そうです。定期健診のバリウムは苦手です。
金属酸化物を使う磁器絵具も使えなくなった色がたくさんあって、アンティークで
しか見られない色合いがあります。
ガラス職人が幽閉されるところなんかもベットガーのアルブレヒト城への幽閉と同じ。
まさしく歴史は繰り返す。
バカラやラリックやドームやリーデルがこれからどうなるのか、うらかんにはわか
りません。
世界中に顧客を持つ重要な産業ですから特例扱いになるような気もします。
ナハトマンはですね!
アイテムによるんですよ。
ネットショップで扱っているナハトマンはほとんどが無鉛クリスタルです。
ナハトマンは2001年にISO14001を業界初で取得しているほどの先進メーカー
ですから鮮やかに対応してくるのではないでしょうか。
心配無用ってとこです。
とりとめなくなりました。
え~っと。
心配する前に早く代替品を探すしかありません。
Nバイヤー、Hバイヤー。そこんとこよろしく!!
心配する前に買っとくしかありません(笑)。
みなさま、そこんとこどうぞよろしく!!
そろえる数
6客?
「初めての洋食器」で「勝負食器」をそろえておくのも本来の醍醐味みたいなことを口走りました。
では何人分そろえればいいの?って。
洋食器は6客、和食器は5客。
でも「なにゆえ?」
15年くらい前までは贈り物も6客セットが主流でした。
6客というより偶数ですね。
アメリカではスターターセットは4客(4人分)。さすがに合理的です。
社会的地位も高くなってお付き合いがふえたらまた4客足して8客。さらに4客で12客。
1ダース!
12進法文化の欧州育ちだからでしょうか。6=半ダース。
カラーバリエーションも6色。
和食器は本来そろえないで主(あるじ)超お気に入りのコーディネイト?(想像です)
1点1点の価値重視で奇数?(推測です)
半ダースに対抗して10進法の半分で5?(妄想です)
裏管理人は、
「欧米はとにかく夫婦単位なので偶数なのですよ。きっと。」
「6客あっても合計3組。ご来客2組。」
ってご説明してきました。
「欧米かっ!」
おもてなし用にそろえるならまず4客がおすすめです。6客なかなか使いこなせません。
その分、グレードアップ1.5倍。
またはサラダソーサーなどバージョンアップに1.5倍使えます。
金彩ってはげますか?
「金ははげるからいやなの。」
ということで、カップの縁などに金彩のないタイプからお選びになります。
それはそれでいいのですが。
「金がついてるとチンできないでしょ。」(絶対無理ですね)
「金は取れますでしょう?」
とっても気になさいます。お安くはないですから慎重になりますね。
「お願い。絶対に取れたりしないって言って。」みたいにお尋ねがあるときもしばしば。
無情にも。
「取れます。」と申し上げるようにしています。
転写の金は毎日使っていると思いのほか早めに薄くなってきます。
日常使いのマグカップの金縁が半年くらいでスケスケになったことがあります。
潔癖症の同居人の洗いかたも問題があります。
①とにかく使ったら早く洗う
②シンクにまとめて浸け置かない
③泡たっぷりのスポンジで撫でるように洗う
なかなかできそうでできないことばかりですね。
でも少しの「愛」が必要です。
手洗い必須。拭きあげ自然乾燥必須。
そうすれば一代で金がなくなっちゃうようなことはまずないと思います。
手描きの金彩も扱い方はもちろん同様です。
でもマイセンやヘレンドで金縁がとれるくらい使い込むのは至難の業。
よほどのことがないかぎりまず大丈夫。逆にカッコイイです。使っている証。
「ハウスブランド」という言葉があります。
親子代々使い続けている洋食器のシリーズのことです。すごく大事にするわけです。
それにこたえるために作り続けるところが伝統的洋食器の良さだったんです。本来。
で、大切なお客様には代々使い込まれた食器でサービスするそうです。たとえ金が薄くなって
いても。
おもてなしレベルが高いほど。
そういうものなのですね。
シルバーのカトラリーも購入時点を基本にするのは無理な話。
だってその解決方法は「絶対に使わない」しかありません。
使い込んだシルバーがほんとうの食器としてのシルバーなんです。
気になるならそれなりに大切に扱いましょう。
気にならないならどんどん使って永く大事にしましょう。
どちらでも食器は喜びます。
カップのハンドル
「このカップ、ハンドルに指が入らないのよねぇ。」
よくお伺いするお客様の声です。
ロイヤルコペンハーゲン。まず入りません。
いくら白魚のような美しい人差し指でも。微妙な入り方でぎこちない感じになります。
裏管理人いっさい動じません。
「そうですね。持ちにくいですよね・・・。つまむんです。みたいです。あちらは。」っていいます。
想像の話が何百回話すうちに確信に変わる裏管理人理論。
マイセンのソーサーが深くてカップを置くくぼみもないのはソーサーに移して飲んでいたからっていうのは有名な話です。このブログでもご紹介しました。
それと。洋画とか観ていて思いませんか?
リビングのソファに腰掛ける二人。小さなテーブルには飲み物の入ったカップ&ソーサー。
途切れた会話。おもむろに伸びる手。
だいたいはソーサーごと手に取ります。あんまりカップだけ手にしているところ見ません。
そこで。
大昔の習慣が染み付いていてソーサーごと手に取るのが習慣なんではないか。と。
なので。
口元でちょっと持ち上げてカップを傾ける動作さえできるハンドルなら合格!!
だいたいヨーロッパの人のほうが指ごついです。彼らは「つまむ」だけなので小さなハンドルでいいのでしょう。
というようなことをご説明しますが、理由をご説明しただけで解決できません。
結局しっかりしたハンドルのをお探しすることになる場合も多いです。
挑戦していただくお客様も。
お紅茶教室なんかではそういうことも教えていただけるのでしょうか。
とつぜんソーサーごと手にとっていただいたらマナー違反とかなんでしょうか?
誰か教えてください。
ティーカップとコーヒーカップ
これってティーカップ?コーヒーカップ?
素朴に疑問に思うことありませんか。
自分たちで楽しむ限り自由なんですが一応知っておいたほうが
っていう場面もあるかもしれません。
単純に横長ティー、縦長コーヒー、縦横同じくらいだったら兼用。
ヘレンドの真珠の首飾りのティーカップ&ソーサー20724。
ヘレンドのウィーンのばらのコーヒーカップ&ソーサー707。
ヘレンドのインドの華730は兼用カップ&ソーサーってなってます。
同族で比較するとわかりやすいですね。
お紅茶は香りと色も楽しみましょう。飲み口が広がっていて浅め。カップのなかにも模様があったりします。
珈琲は冷めないうちに頂きましょう。口径を狭くして温度を逃がさない。
っていうところです。
「正式には」なんていうことありませんからあまり気にしなくていいですが、ご来客には多少気を使いましょうね。
マイセンのすっごいいいカップなんですがこれで珈琲でてきたらちょっとあせります。
裏管理人は猫舌なので大喜びですが。
容量は150~200ccくらいです。
そういえば。実店舗20年の経験で「容量どれくらい?」っていうお尋ねは一度もなかったので容量を気にするようになったのつい最近です。
ほら。容量とかサイズを表示しないといけないでしょう。
だいたい日本代理店さんか現地のカタログっていうか仕様書みたいなのに載っていたり載っていなかったり。
正規代理店のカタログ同士で同じ商品が180ccと200ccだったり。
けっこうざっくりです。
最初は神経質に調べていましたが、使う容量かスリキレ容量か明確な基準もありませんから最近は大胆にも見た目で決めちゃってます。