HEREND Chinoiserie vol.1
ヘレンドのシノワズリについては一度ご紹介しました。
そのときに各作品もいずれって申し上げていたのでした。
第一弾は基本パターンにしましょう。
左から西安の赤・ゲデレ(G)、西安の黄(SJ)、西安の黒(SN)。
昨日のカラーバリエーションじゃないですが色違い的なラインナップです。
でも西安の黒だけは似ていますが絵柄は異なります。
西安の赤・ゲデレでヘレンドのシノワズリがデビューしたことはご案内しました。
「松竹梅」がパターン化されています。
もともと中国で歳寒三友と称され「清廉潔白」を表すそうですが日本では「めでたい」意味
になっていますね。
あと、天丼の「松」とか(笑)。本来はランキングに使うものではありません。
地色を黒で描きこむ西安の黒にみられる技法は「ファミーユ・ノワール」と呼ばれヘレンド
のシノワズリシリーズの特徴となっています。
最後に黒を塗るって聞いたことがありますがたいへんな作業ですよね。
もうひとつエントリーモデルともいえるパターンがこちら。
ポワッソン(PO)。
子孫繁栄を表す「魚藻文」という吉祥文様です。
かえって白地が新鮮です。
あんまり金魚が泳いでいる食器ってありません。配置が絶妙です。
どれもおめでたくてお正月にぴったり。
個性的なヘレンドのシノワズリはお好みの分かれるところですが、コレクションに一客
でも加わるともう麻薬のように増殖すること保証付きです。
カラーバリエーションその1.
色違いの洋食器を使うのは楽しいものです。
「統一感とバラエティー感を同時に楽しむ」とかいえばかっこいいでしょ。
第一弾はヘレンドの「インドの華」(Fleurs des Indes)。
品番イニシャルFDといえば「インドの華多彩色」となりますが、これが基本のようです。
おなじみのグリーンはFleurs des Indes VertでイニシャルFV。Vertは緑。
ぜんぶで10種類あります。
多彩色(FD)、グリーン(FV)、ターコイズ(FTQ)。
ブラック(FN)、ブルー(FB)、ライラック(FL)。
ちょっと見間違いがちなイエロー(FJ)、オレンジ(FH)、マロン(FM)。
一色足りないじゃないか。
申し訳ありません。同様の3pcsのカットがありませんでした。
これです。ピンク(FP)。
これで勢ぞろい。
ヘレンドは同パターンで色違いやモチーフ違い
作戦多いですね。
ブラックは最近デビューした色です。
インディゴとかも出場準備中なんでしょうか。
個人用は各色で楽しんでサービスアイテムは多彩色でそろえればインドの華尽くし。
酒井田柿右衛門もびっくりです。
ヘレンドのウェールズ
HEREND Wales
二重構造に透かし技法のとんでもない食器があります。
限りなく繊細なオープンワークのアンティークのカップ&ソーサーは見たことがありますが
なんとそれはほんとにオープンワークでしたからそのカップで直接紅茶をいただくことは
できません。
茶漉し状態の装飾品ですね。
ヘレンドのウェールズがすごいのは二重構造で飲み物もいただける点です。
カップもソーサーも空洞があるわけです。
どうやって洗うの?
とかは別世界の話です。
色使いと形状はシノワズリ。
お正月っぽいイメージです。
な~んか「千と千尋」思い出しちゃうのは
裏管理人だけでしょうか?
日本が公式初参加したウィーン博覧会の際に開催国のフランツ・ヨーゼフⅠが英国の
プリンス・オブ・ウェールズ(のちのエドワードⅦです)に贈ったことで
その名もWalesとなったそうです。
ウィーン博は1873年。
シノワズリの発表で一躍有名になったパリ博の直後が地元ウィーンでの博覧会だった
ことはヘレンドにとってたいへんなメリットだったと思います。
気合入ってたでしょうね~。
オーストリア=ハンガリー帝国を代表して
贈り物の任を賜ったわけですから。
外交関係にもおよぶ国家レベルの行事。
ヘレンドのウェールズはキャニスターが
有名で、こちらのカップやポット類はほん
とうに希少アイテムです。
びっくりするような作品。
いくらでもありますね。
ヘレンドのトレー
ヘレンドはティーフォーツーやコーヒーフォーツーのユニットがお好みのようです。
オファーや発注単位でもよく見かけます。
パセリのティーフォーツーとフォーシーズンのコーヒーフォーツー。
シュガーは葉型のオープンシュガー、クリーマーもモカサイズになるのが一般的。
ケーキ(デザート)皿はセットされないほうが多いです。
絵柄がみえるようにトレーは立てて撮っていますがなんとか全部のっかります。
今日の主役はこのトレー(フォルムNo.400_0_00)。
洋食器の創美ではヘレンドの仕様書に忠実でモカトレーと呼んでいますがいまいちイメージ
がわかない命名です。
ここはやはり日本代理店様の「パーティートレー」がアイテム名として大正解。
おなじみウィーンのばらのパーティートレー。
幅が40cmあります。
フラットな部分がとても広いのがポイント。
ビーダーマイヤー調の縁飾りもかわいいです。
こうして単独でみたほうが用途のイメージがわ
きませんか。
季節柄、これから大活躍間違いありません。
さっきのオープンシュガーをジャムやマスタード入れにして一緒にのっけるのもgoodです。
ほら。
機能重視のオーバルディッシュより楽しそうでしょ。
ヘレンド スペシャルペイント その1.
HEREND
今日は名品のご紹介。
たまにはすごいのをみてほっとため息。
ヘレンドには独自のマスターペインター制度があります。
洋食器の創美オフィシャルサイト名品特集「ヘレンド」でご紹介しています。
ヘレンド全ペインターのうちのたった3%前後のマスターペインター。
そのマスターペインターが特別なパターンを精魂込めて描きあげた作品を
「スペシャルペイント」と呼びます(わかりやすい)。
ペインターの署名はもとより品番は必ず「SP」のイニシャルが付記されます。
マイセンの「アトリエ作品」と同様の位置づけでしょうか。
洋食器の創美では数多くのヘレンドの名品を扱っています。
今、在庫があってもっとも迫力のある作品(裏管理人判断)がこれです。
SP1057。
2007年フランクフルトメッセ発表。世界限定20セットのティーフォーツーです。
蒔絵の漆器を彷彿とさせる仕上がり。
豪奢ながらも純和風の落ち着きをもつ重厚さがなんともいえません。
今のところ洋食器の創美の名品展会場でご覧いただけます。
もちろんネットショップへのお問い合わせも大歓迎。
ヘレンド シノワズリ その1.
ヘレンドのシノワズリ HEREND Chinoiserie part1
アウガルテンの記事で触れましたがヘレンドは開窯(1826年)当初はハプスブルグ家純正御用達窯であったウィーン窯(アウガルテン)のNo.2的な窯でした。
それが。
第一回ロンドン博覧会(1851年)でビクトリア女王に注文を受ける栄誉に浴した「ビクトリア」の出展で注目を集めます。
王侯貴族・社交界への”デビュー”っていう感じでしょうか。
ビクトリアVBOも東洋趣味。
そして。
1867年のパリ博で独自の世界観をもつシノワズリシリーズを出品し、一躍名窯の仲間入りを果たしたわけです。
ヘレンド初のシノワズリである「西安の赤」改め「ゲデレ」G。
ハプスブルグ家后妃エリザベートさんが別荘のゲデレ城用にご用命。以後「ゲデレ」とか「ゴドロー」とか呼ばれています。
それにしても。
マイセン開窯から150年近く過ぎた19世紀半ばに発表された中国趣味(シノワズリ)が当時の王侯貴族に絶賛されたのはなにゆえ?
シノワズリは出尽くした感があったはずです。
いかに個性的であったか、独創的であったか、ということですね。
好みまっぷたつの潔さ。
ERS。この強烈な個性にはエネルギーさえ感じます。
大勝負に出たんだって裏管理人は勝手に思います。
このシノワズリシリーズがあってこそ今のヘレンドがあるわけです。
各作品についてはまたの機会でご紹介します。
ヘレンド2007年新作
本日撮影分です。
とってもすてきなヘレンドの2007年の新作が入荷しましたので速攻ご紹介です。
どこよりも早く(たぶん)!! 7月7日13:30時点ホヤホヤです。
ミニアチュール技法のフィギリン4点セットです。
CD1-15195-0-00 Persian Prince(135*90*105mm)
CD1-15196-0-00 Persian Princess(130*80*75mm)
CD1-15203-0-00 Table with dishes(55*40*45mm)
CD1-15194-0-00 Carpet(20*160*195mm)
の4pcsセット。サイズ表示は高さ・奥行・幅の順。
今年2月のフランクフルトメッセで発表された新作です。
もちろん絨毯もヘレンドポーセリンで細密画技法で得意のアラベスク文様が丹念に描きこまれています。
プリンスとプリンセスの表情と手前のテーブルにのった食器。
こちらのミニチュアペルシアンと一緒に飾ったら最高です。
撮影しても撮影してもこういう名品は即座に実店舗の「ヨーロッパ名陶名品展」行き。
明後日出荷しておそらく週末までにはお客様のお手元に・・・。
裏管理人はご紹介できるだけで幸せです(嘘)。
ネットショップにはアップしていませんが、
いざとなったらなんとかします。
ご興味がおありでしたらお問合せ下さい。