突然ECサイト担当を拝命したころのほうが志が高かったかも。
マイセン、ヘレンド、KPM、アウガルテン、ロブマイヤーなどいわゆるネットショップでは難しいと言われるハイグレードの高額品を全面的に打ち出そうと。
実店舗ではセーブルやアンティークまでご案内していましたから、それをそのままWEBで再現すればいいと考えていました。
今でもお陰様で「○○取り寄せできます?」とかECのお得意様からご依頼はあります。
電話で(笑)。
そういや、最初のころの方が希少品もたくさんアップしていたわ。
今も登録はしてありますが「見えない」設定。
奮戦記の記事も初期のものは希少アイテムオンパレードです。
この気品に満ち溢れた作品、お分かりになる方はおそらくSohbiのお得意様率高かと。
驚くなかれ、Sohbiネットショップで承ったことあります。
モチーフですか?
おまかせ(笑)。
※現在取り寄せ可能かどうかすら不明です。
ヘキスト トルコの楽隊
永年扱ってきたからといって知ったかぶりすると赤面することが多々ありますから、
ここ数年はまず調べてからお返事することにしています。
HOCHST Turquish Music
レッドジャケットとイエロージャケットがラインアップされています。と、
販売経験も含め自信を持ってご案内します。
じゃ~ん。
ブルージャケットもあったのです。
Sohbiの商品担当Bossに調べてもらったら、さらにまだホワイトジャケットが
2パターン(襟や袖が赤いタイプと青いタイプ)存在していました。
そしてペイント前の白磁バージョンも。
歴史のある工房は奥が深いのです。
お問合せ下さればこうして連れて来ることもできるのです。
ヘキスト キョウト
Kyoto
「京都」というシリーズがヘキストにあります。
自白済みですが裏管理人は関西出身です。実家は大阪市内。
高校時代のデートはもっぱら京都、キタとミナミの地下街、そして神戸。クールファイブ。
海外の人からみればやっぱり歴史のある京都が注目されるんでしょうね。
歴代Emperorがもっとも長期間居を構えてていたわけですから。
そういえば京都に本拠をお構えのブランド洋食器の日本最大級のネットショップもあります。
Webの世界でのその歴史と実績の大きさはわが奮戦部隊とは比べようもありません。
そのヘキストのキョウトがこちら。
エキゾチックモードというコンセプトが明記されて
います。
思い切りがいいのは左の写真のように彼らなりの
考えの和食器?(和のイメージ)にアイテムが集約
されている点です。
パターンだけでなくシェイプまで別途制作するところがヘキストの偉いところです。
こりゃもう洋食器ではありません。
アイテム名もはっきりしています。左のはsake bottleとsake cupとなっています。
<海外のヘキストKyotoのカタログより抜粋>
・・・in tune with the philosophy that,even in everyday life,greatness is to be
discovered in small things.・・・日常生活においても細事から大事を見出す哲学に
よって調和がはかられた・・・
裏管理人のいいかげんな訳ですが商品説明がすごいことになってます。
そっくりさん part2
マイセンのストローフラワーとロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドプレイン、
そしてヘキストのアマリエンブルグ
マイセンとロイヤルコペンハーゲンの「麦わら菊文様」そっくりさんのことはご紹介済みですが。
もひとつ居たのを忘れていました。
ヘキストのアマリエンブルグ(Amalienburg)DecoNo.6221。
元祖マイセンの「麦わら菊」が1750年発表。
パターンを譲り受けたロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドプレインが1775年。
ヘキストのアマリエンブルグはいつなのか調べてみましたが不明です。
左からマイセン、ロイヤルコペンハーゲン、ヘキスト。みんな名窯です。
そして
「ロイヤルコペンハーゲンvsヘキスト」どっちが先か?(もしかしてどっちでもいい?)
ヘキストは開窯1746年。マイセンが「麦わら菊」を発表する4年前です。
前述のようにブルーフルーテッドプレインは1775年。
ヘキストはマイセンの腕っこき職人が作った窯であることはご説明しました。
開窯後もうわさをききつけて続々と職人が流れ込んだはずですのでヘキストのほうが
先だというのが裏管理人推測です。
「おう、今マイセンでいっとう人気のあるのがこれでぇ。手土産に持ってきてっからひとつ
おらっちでも作ってみようじゃねぇけぇ。」と相変わらず江戸っ子なのでした。
(注:1700年代後半もっとも人気があったのはブルーオニオンではなく麦わら菊でした)
ヘキスト
ヘキスト since1746 ドイツ
マイセン、ウィーン窯(アウガルテン)に次ぐ名窯のご紹介を忘れていました。
1800年を待たずに閉窯。1977年復活。
100人に満たない少人数。完全受注生産で品質の高さを守っています。
ペインターが下書なしのフリーハンドで描くというのは有名な話です。
ロココ様式を色濃く反映したラーツヘルのライン川風景も一応15パターンが決められていますがアレンジはペインター次第です。
どうしてもたたずむ人物を入れたかったんでしょうね。手前にボート。左手に帆船。
こちらのペインターさん水墨画風。
とうとう釣りさせちゃいましたね。いつかはこうなると思ってました。というか期待してました。
どこかに「自由」がみられるのがヘキストの特徴です。
それは一度たりとも王権の及ばない「民窯」だったからなんです。
英国の窯はほとんどが民窯ですが大陸の窯はほとんどが王立だったり王侯の所有だったりなのに。
秘伝・秘技の漏洩防止。制作物への細かい注文。半幽閉状態の厳しい労働環境。
やんなっちゃった職人たくさんいたはずです。
マイセンから脱出して西へ西へ。で。フランクフルトの近くマイン川のほとりに工房作ったんですね。
「おう。ヘキストってぇとこはけっこう俺っちの自由に作れるってえじゃねぇか。ちょっと行ってくらぁ。」てな具合にうわさをききつけて腕のいい職人が集まったわけです(江戸っ子かどうかは別にして)。
「人形だってこういう優しい顔のいきのいいのが作りたかったんでえ。」って言ったかどうか分かりませんが名品中の名品「トルコの楽隊」完成。
台座が草地なのはヘキストの人形の特徴です。
「描いてておもしれえからマルチカラーの風景画も定番化しちゃおうかい。腕が鳴るぜ。」って。
ホフラート。ば~ん。
ひじょうに繊細な技術と感性が必要とされる手描き風景画を定番化するというのはたいへんなことです。たとえ注文があれば、にせよ。
ぜひともひよることなく、少数精鋭。傑作寡作。でいてほしい名窯です。