ヘンリエッテ

Antique Royal Copenhagen  HENRIETTE
deco no,444 since1916
「そっくりさん」の記事で一度ご紹介したロイヤルコペンハーゲンのヘンリエッテは
15年くらい前に製造中止。
シェイプがおしゃれでしょう。
かの有名なアーノルドクローのデザインではありません。クローの前任者G.F.ヘッチ
が1830年代にデザインした形です。
「アンギュラ」と呼ばれます。
ロイヤルコペンハーゲン ヘンリエッテ  洋食器の創美 こちらはアンティーク。
 ヘッチ考案のアンギュラシェイプをクローが
 このヘンリエッテでデビューさせたわけです。
 バロック風味のフォルムにロココ様式のフラ
 ワーブーケ。
 贅沢に使われた金装飾。
 逸品です。
 このようなセットではなかなか出てきません。
ミッドサマーナイツといい、ゴールデンバスケットといい、こちらのヘンリエッテといい、
20世紀末に製造中止となったロイヤルコペンハーゲンはそれがために人気と価格が
高騰するアイテムが多いですね。
いまさら復活もできないでしょうがなんかの記念で復刻することがあっても良さそう
なものです。
 

アンティークドーム

Daum
ガレもドームもラリックもアンティークがすてきです。
ドームは冬景色の被せガラスの花瓶や器にとてもすばらしい作品があります。
もう完全に好みの問題ですがいつもドームのアンティークに惹かれます。
こちらもそんな作品の一つです。
アンティークドーム_02 洋食器の創美の必殺仕事人が自ら競り落と
 したDaumのリキュールセットのアンティーク
 です。
 トレイにリキュールボトルとカップが10客。
 12客だったんでしょうが2客は「いずこへ?」状態
 での落札価格。そろっていたら予算不足だった
 に違いありません。
 かれこれ3-4年前の話です。
アンティークドーム_01   
   写真ではわかりづらいですが金彩でアザミ
   の文様が散らされていました。
   ドームもガレもフランス東部ナンシー発祥。
   そのロレーヌ地方の紋章がアザミなんです。
   いまやナンシー市の紋章にもあしらわれて
   います。
ドームということもありますがアイテムの希少性も魅力。
すてきな方のすてきなお宅で大事にされています。
自分では買えませんがそういうのってとても安心で嬉しいものです。

プラチナとグランツゴールド

Meissen Antique
梅田店の名品展のときにR.シュトレのデザインしたプラチナ彩の陶板をご紹介
しました。
で。先日マイセンの光沢金(グランツゴールド)のことをご案内しました。
その両方の技法を駆使した逸品がこちら。
アンティークマイセン プラチナ彩  洋食器の創美 1800年代後半から1900年代前半のアンティ
 ークマイセン。
 見込みの部分はプラチナ彩の花絵付け。
 バロック様式のレリーフの縁飾りにはグランツ
 ゴールドの金彩が施されています。
 筆のすべりが重くて絵付けがひじょうに難しい
 プラチナ彩は特別な作品にしか使われません。
 
 本作のようなアンティークマイセンは有名です
 から何回か出会いがありましたが、
 こんなにコンディションがいい作品は希少かと。
この金彩のほうがマイセン独自のの「魔法の金」の光沢がおわかりいただき
やすいでしょう?
今思いついたのですが焼成中に輝いて磨き工程不要のグランツゴールドだ
からこそこういうレリーフの凸凹への金彩にもってこいなんでしょうね。
だって「磨き」が必要なふつうの金彩だったら均等に磨くのは無理ですよね。

マイセン アンティーク人形 「羊飼い」

Schafer,Schaferszene
昨日の続編で第二弾。
こちらもシュタファーゼ(マイセンの人形絵付け)のこだわりと腕が如実に現れた
すばらしい作品です。
ご鑑賞ください。
アンティークマイセン 羊飼い_1  洋食器の創美 アンティークマイセン 羊飼い_5  洋食器の創美
アンティークマイセン 羊飼い_2  洋食器の創美 アンティークマイセン 羊飼い_3  洋食器の創美
アンティークマイセン 羊飼い_4  洋食器の創美 ロココ様式に分類される「羊飼い」シリーズ。
 「羊飼いと眠れる美女」。
 昨日の天使と同時代の作品です。
 ここまで繊細かつこだわりのある人形絵付け
 はいまだかつて見たことがありません。
 忠実に表現しようとする絵付師の思い入れが
 伝わってきませんか。
 裏管理人感動アンティーク人形BEST3に登録。
王や王妃、貴族たちは野山や庭を自由に歩き自由に休む羊飼いや庭師にとても
憧れたんですね。
古来の伝統やきまりごとに縛られた宮廷生活に比べてはるかに人間らしい生き方
と思えたんでしょうね。18世紀の話です。
食べるために必死で働いている羊飼いにしてみれば「よく言うよ」ですが。
だって貴族たちが羊飼いや庭師に扮して「羊飼いごっこ」などをして遊んだと言われ
ています。「よくやるよ」です。
そこでマイセンも羊飼いや庭師(ガーデナー)の磁器人形をたくさん作ったんですね。
人気あるから。だいたいは男女ペアとなっています。
面白いのは羊飼いや庭師なのに高貴な顔立ちだったり高価なアクセサリーを身に
つけたりしていることが多いこと。
これは実は「ごっこ」中の王侯貴族たちを題材にしている、というのが裏管理人解釈。
こういう作品はすぐさまご提案します。良さのご説明です。
洋食器の創美での存命三日間(しかも倉庫)で速攻お得様のお手元に貰われて行きま
した。

アンティークマイセン 天使人形

以前、「アンティークマイセン人形の良さ」っていう記事で裏管理人なりの考えをお伝えしました。
独断と偏見に基づいているかもしれませんが。
「ガレージセール」にまだ店舗に出荷していない最高に美しい人形が2点ありました
のでご紹介しましょう。
本日第一弾がこれです。
アンティークマイセン 天使_1  洋食器の創美 アンティークマイセン 天使_2  洋食器の創美
アンティークマイセン 天使_4  洋食器の創美 アンティークマイセン 天使_5  洋食器の創美 
どうですこの美しくも愛らしい顔立ち。
ぜひ拡大してご覧下さい。
饒舌に語る必要もないでしょう。
ほんとうに自然で美しく、久々にビビッときちゃいました。
何体も天使人形が並んでいますし、何体も見てきていますがこのグレードには
なかなかお目にかかれません。
アンティークマイセン 天使_6  洋食器の創美 1815年から1923年までのマークです。
 柄にふくらみがあって剣がまんなかか
 まんなかより上で交差しているボタン剣
 とも呼ばれる剣マークです。
 
 マイセンでできばえがすばらしいアンティ
 ークはだいたいこの時代の作品です。
 技術が熟しきっていたんでしょうね。
 
それにしてもいい子です。

アンティークマイセン 天使文

「洋食器の創美津田沼店ファイナル名品展」会場よりpart3
超絶希少品アンティークマイセンです。
200年以上前のマイセンは古マイセン(コマイセン)と呼ばれることが多いんですが
こちらはひじょうにエポックメイキングな古マイセン。
アンティークマイセン 天使文_5  洋食器の創美 1760年頃の天使文のカップ&ソーサー。
 パーパー(赤紫)ロカイユ文様と金彩装飾付き。
 意外に思われるかもしれませんがマイセンの
 天使絵の作品はひじょうに寡作です。
 今のマイセンには天使絵の定番は皆無。
 アンティークでもマイセンの天使絵というだけ
 でたいへん高価に取引されます。
アンティークマイセン 天使文C&S_3  洋食器の創美 アンティークマイセン 天使文C&S_2  洋食器の創美
アンティークマイセン 天使文C&S_1  洋食器の創美 さらにこちらは18世紀半ばの作品です。
 マイセンがロココ様式を採用し始める初期の
 天使絵です。
 初めてチャレンジした作品の可能性すらあり
 ます。1800年代および1900年代初めの天使
 絵とは筆致も表情も明らかに異なります。
 天使自体があんまり美しくはないんですね。
素朴な天使です。
まだ王侯貴族に媚びない天使ともいえます。
このあと100年くらいで受注増のためにどんどん可愛く美しく絵画的な天使へと変貌
していくわけです。
写真は1客ですが実はこれ6客あります(もちろんすべて異なるモチーフ)!!
学術的価値すら認めうる名品です。
それが特別でもなくふつうに陳列されています。
おそるべし名品展(笑)。

銀巻き

「洋食器の創美津田沼店ファイナル名品展」会場よりご紹介part1
ずいぶん前に藤沢名品展会場からシルバーオーバーレイ技法のカップ&ソーサー
をご紹介しました。
同様の渋い色のリチャードジノリの80年くらい前のアンティークが入荷しています。
ご説明した通りのパターンがこちらにも。
ぜひ前の記事を読んでからご覧ください。
アンティークジノリ シルバーオーバーレイ_1  洋食器の創美 アンティークジノリ シルバーオーバーレイ_5  洋食器の創美
アンティークジノリ シルバーオーバーレイ_2  洋食器の創美 アンティークジノリ シルバーオーバーレイ_3  洋食器の創美
アンティークジノリ シルバーオーバーレイ_4  洋食器の創美
 ね。やっぱりちょっと強引につながって
 ます。
 ハンドルとカップの継ぎ目の部分が特
 にユニークでしょ。無理があります。
 今回はIXY画像ですから拡大してみて
 ください。
何回でも確認したくなる悲しい性。
でもそういうことを繰り返しているうちに上手下手など判断できる様になったりするもの
なんですよ。

エウロペの誘拐

バロックとロココの中間期に開窯したヨーロッパ初の硬質磁器窯マイセンは当然その
美術様式の影響を受けながら数々の名品を生み出しました。
フランス宮廷文化に代表される優美華麗豪奢なロココ様式がもてはやされたあとの
18世紀半ば以降には、
「わしらこのままでいいのか」
「これは一種の堕落ではないんか」などという反動の風潮が生まれます。
「新古典主義」が新たなトレンドとなるわけです。
ヨーロッパ文化の心のふるさとギリシャ・ローマ時代への回帰です。
そこでマイセンもギリシャ・ローマ神話をテーマにした作品を世に問うんですね。
名品がたくさんあります。
アンティークマイセン エウロペ  洋食器の創美 「エウロペの誘拐」
 こちらは1900年前後のアンティーク。
 
 フェニキア王の美しい娘エウロペに一目惚れした
 ゼウスが白い美しい牡牛に化けて誘惑する場面。
 そう。この牛はゼウスなんですね。
 美しい牛に思わず乗ってしまったエウロペ。
 ここぞとばかりにこのままゼウス牛はクレタ島まで
 連れ去るのでした。
 本来の姿に戻ったゼウスとエウロペは結ばれ、
 めでたしめでたし。
 
エウロペ(EUROPE)=ヨーロッパの呼び名の起源となったお話です。
 
それをわかってこの作品を鑑賞すると個体の良さの判断材料にもなります。
なんともいえない牡牛の「目」がPOINT。
「しめしめ」、「よしよし」、「にんまぁ」というような目。表情。
当然、農耕用もしくは食用の牛に見えてはいけません(笑)。
そこはかとない気品を醸し出しているか、など。
元の題材などを知っているのと知らないのでは楽しみ方に大きな差が出ますね。
洋食器の創美はそういうのにすごくこだわるんですよ。
でもなんで牛なんでしょうね。
最後はまた白い牛となって天に駆け昇って牡牛座になったんだとか。
ちなみにこの原型もJ.J.ケンドラーによるものです。

アンティークマイセン人形の良さ

すてきな天使人形
たびたび登場する愛機SH702iDには実店舗の特別催事応援の際に目に留まった
名品・秀作を保存してあります。
もちろんいずれBlogでご紹介するためです。
ケータイですから画質が悪いですが、
ずいぶん前に撮影した逸品をどうぞ。
アンティークマイセン 天使の美術_2  洋食器の創美 アンティークマイセン 天使の美術_1  洋食器の創美 
天使によって芸術・科学・人文を表現したシリーズ(arts)があります。
1700年代後半のミシェル・ビクトール・アシエが手がけた数多くの天使人形にも有名
な作品があります。
地理学・美術・天文学・詩文…。
M.V.アシエ(いずれ詳しくご紹介します)作に三人の天使がスケッチをしている情景を
表現した作品がありますが、こちらは二人の天使でアシエによるものかどうかはわか
りませんでした。
今日お伝えしたいのはこの人形の歴史背景よりマイセンのアンティーク人形「良さ」の
ポイントなんです。
仕事柄、数多くのアンティーク人形を見ていますが「おお、これはこれは。」と感動でき
る人形はあまりありません。
ちっとも難しくないんですよ。
①色合いが自然(全体的に)
②描き込みが繊細
人形は型さえあれば作れます。
やはりシュタファーゼ(人形絵付)のすばらしさに尽きます。金属酸化物を含む磁器絵具
は環境問題で使えなくなった色もあるはずです。
コストのかけかたも現代とは異なります。当然差がでます。
マイセンのアンティーク人形同士でもすごく絵付けの丁寧さに格差があります。
裏管理人の好みの問題かもしれませんが。
アンティークマイセン 天使の美術_6  洋食器の創美 アンティークマイセン 天使の美術_5  洋食器の創美 アンティークマイセン 天使の美術_4  洋食器の創美
どうです。
この優しくも美しい色合い。
肌の色の自然な色調。天使の表情。目・目元・眉・口。
イーゼルの木目。
スケッチしている絵自体がミニミニ陶板として通用しそうです。
①顔(特に瞳)→衣類の模様→台座の順に自然さと繊細さと描き込みの丁寧さをCheck。
②ちょっと離れて全体の色合いのまとまりをCheck。
③形のアンバランスをCheck(大きな補修はちょっと離れたほうがわかります)。
④細部の補修をCheck。
⑤もちろん気に入ったタイプでないとだめですね。
①と②が満点なら多少の入(にゅう)・貫入(かんにゅう)があろうが補修があろうが見合う
プライスならGETして間違いないと思います。
あとでわかるのはいやなものです。
ですので「これはいい」と琴線に触れたアンティークがあると意地悪なくらい徹底的に
「難」を探します。
そしてそれも承知の上でご説明して自信をもっておすすめさせていただくようにしてい
ます。当然価格もリーズナブルでなければなりません。
この子達はいい子達でしたよ~。
アンティークマイセン 天使の美術_7  洋食器の創美 柄留めにふくらみのある1815年-1923年の作でした。
 波乱のマルコリーニ時代を乗り切ってもっとも質の
 高い作品が多い時代です。
 当時のマイセンにしてみても自社の100年近い前の
 作品の復刻になるわけで、マイセンの歴史のすごさ
 に改めて気づかされます。
今日はイブで読む人少ないでしょうね~。
Merry Christmas!!

ブルーフルーテッド ハーフレース ゴールド?

アンティーク ロイヤルコペンハーゲン
一度ブルーフルーテッドフルレースのアンティークをご紹介しましたが、今日はハーフ
レースのアンティークです。
昨日の藤沢店のアンティーク展に入荷していたのを例のケータイで。
縁に金彩が施されていましたので勝手に「ゴールド」とか付けちゃいました。
  アンティークロイヤルコペンハーゲン ハーフレース_1  洋食器の創美  アンティークロイヤルコペンハーゲン ハーフレース_3  洋食器の創美
  コーヒーカップ&ソーサーと17cmプレートの3pcs。
  6組ありましたがみんなとてもいいコンディションでした。
  ケータイなので肝心の金彩の縁取りが見えにくいですね。
定番というわけではなくて「発注元のリクエストにお応えして」とか「ちょっと豪華にこう
いうのいかがでしょう」みたいな感じで作ったのでしょうか?
と思います。
コバルトの単彩と意外とマッチして上品なたたずまいです。
カップの裏はこんなです。
アンティークロイヤルコペンハーゲン ハーフレース_2  洋食器の創美
 1922年-1934年に作られたものです。
 ROYAL COPENHAGENのどのアルファベットの上下
 にも バーがないからそうなります。
 金彩も同時か否かは不明としか言えません。
 719というのはハーフレースのコーヒーカップ&ソー
 サーを表す旧品番です。
 今はハーフレースの068。
 「ハーフレースの」ってつけないと確定できません。
手描きの品番は単品レベルの品番だったんです。
洋食器の創美が創業のころはみんなまだこの旧品番でした。
ハーフレースのもう一回り大きいコーヒーカップ&ソーサー(現071)が756でティーカップ&
ソーサー(現080)は525でした。
確かフルレースのティーが1130だったと。
店舗同士のやり取りも「756中間色ある?」とか1.5秒で済みました。
分数のようになって上が1なのはフルーテッド全部がそうだったと思います。
確か最初のデザインということで1だとか。
話がそれましたがロイヤルコペンハーゲンもつい最近までペインターが1ピースごとに品番
も記していたということもお伝えしたかったんです。
そういえば共通で組み合わされるソーサーにはご丁寧に全部のカップの品番が描かれてい
て一目でわかって親切だったんですよ。
よくお使いの方ほど旧品番のアイテムが多いと思います。
ちょっと裏返して確認してみてくださいね。