スクエアプレート。
ここでご紹介するのは深くないフラットな正方形のお皿です。
洋食器にはもともとはないアイテムだと思います。
「丸」だったら切り分ける前のケーキをサービスするためのプレートになります。
これはこれで和食にバッチリ。お寿司、お寿司。
脚付きケーキプラターはちょっと使いにくいですか。
センターピースの台に。
クリスタルボールにフルーツを盛って上にのせたらステキかも。
で。トレンドのスクエア。
「KPMベルリンのドイツのショップで四角いプレートに和食のセッティングがディスプレイされていた」というヨーロッパ研修メンバーの目撃情報があったくらいです。
ほんとでした。この商品だったんです。
KPMベルリンのZEN。「膳」、「禅」からの命名でしょうね。「まさしく!」って感じです。
天下のKPMの手描きがはいるとさらにグレードアップ。
居ながらにして高級料亭。
イメージを崩さない上品なパターンと色彩が秀逸です。
天下のベッキオホワイトも黙ってはいません。さすが。
ヨーロッパ陶磁器デザインの趨勢はクラシックモダン。それに不思議とマッチする日本文化。
生活に溶け込む時代です。楽しみましょうね。
「英国展」と「在庫処分セール」
今日はセールのご案内と実店舗のお知らせをさせてください。
【英国展】
ボーンチャイナによる独自の陶磁器文化をもつ英国を代表する名窯の特集です。
このブログでもご紹介したロイヤルクラウンダービーやスポードの新入荷アイテムは要チェック!!
もちろんウェッジウッドも。
洋食器の創美らしい企画ですのでお楽しみ下さいね。
【在庫処分セール】
一転、こちらは商品群にまとまりはありません。
でも今のご時勢で60%OFF、70%OFFはなかなかありません。
たとえば、ご新築祝いに大人気のボヘミアレースカットのアイテムが全品60-70%OFFです。
【関西にお住まいの方へ】
裏管理人の地元関西の洋食器の創美は梅田となんばと神戸の三店舗です。
梅田店。
梅田スカイビルの麓にある梅田店。新梅田シティってわかります?
こんなところです。
駅から遠いです。陸の孤島と呼ばれています。
でも。
店構えは全店トップのハイグレード。
ゆっくりできるお店です。一番最近まで担当していた実店舗です。
洋食器の創美オフィシャルサイトの店舗紹介ページがもっとも遅れているお店です。
そんな梅田店の店長が最近気づいたんですね。ネットのポテンシャルに。
洋食器の創美ネットショップメンバー同様、WEB音痴ですが気合充分。
頑張って店長ブログを開設しました。応援よろしくお願いします。
裏管理人も全面的にバックアップ体制で店舗紹介ページも一大リニューアル予定です。
大阪駅北口周りの再開発を含めこれからは梅田店の時代です。
どうぞよろしくお願いいたします。
シルバーオーバーレイ
アンティークが続いていますが、
今日はシルバーオーバーレイ技法のお話です。
これ。ジノリのアンティークです。
こういうのをシルバーオーバーレイっていいますが「銀巻き」というとちょっと「通」っぽい。
1840年ごろに電気メッキ技法が開発されてチャレンジャーが磁器にも銀メッキしたんですね。
昔聞いたことがある裏管理人の微妙な記憶によれば、
①まず導電性の高い素材で絵柄を転写したり手描きしたりします。
②絵柄に電線をつないで電解液に浸けて銀メッキします。
なんですが。
わざわざこのアンティークを採り上げたのはその話を聞いたときに印象に残っていたことがあったのです。
それは。
「絵柄自体が電極になるので必ず絵柄が全部つながっていないといけない」
それを思い出してそういう目で見てみると。
ほら。カップの総柄パターンと脚の部分が強引につながっています。
向こう側もそうなっていました。デザイン上の必然性はありませんよね。
ソーサーもカップもぜんぶ途切れた箇所はないのでした。
ちょっとしたことですが知っていると面白い発見があるものです。
スージークーパー
Susie Cooper (1902年-1995年)
スージークーパー。
なんだか語感がいいです。日本にはとくにファンの多い英国の陶磁器デザイナーです。
亡くなった1995年に出版された「スージークーパーのある暮らし」(このブログのテーマは「洋食器のある生活」偶然です)が日本での大ブレイクのきっかけだったことはよく知られています。
そのままの勢いで人気も日本発。
それで英国本国でも見直されたといっても過言ではありません。
1930年、弱冠28歳で独立。
アールーヌーボーからアールデコへ移行していたころですね。
スージークーパーについては詳しいWEBサイトがたくさんありますからあとは他に譲ります。
藤沢店に入荷していた1950年頃の作品のご紹介です。
通称「ブラックフルーツ」。
いろいろなタイプがあってこれはグレープとチェリー。
ウェッジウッドファンで勘のいい方はなぜ裏管理人がこのアンティークを採り上げたかおわかりでしょう?
そうです。「グレンミスト」(Glen Mist)。
スージークーパーが1960年にデザインしたパターンをウェッジウッドが復刻したんですね。
ブラックフルーツとの共通点が感じられて面白いでしょう。
それでご紹介してみました。
アンティークのGlen Mistをみつけて一緒に使ったら楽しそうです。
ロイヤルコペンハーゲン アンティーク
なじみやすい?すてきなアンティークを
「ヨーロッパ名陶名品展」藤沢店会場で撮ってきました。
例によってケータイなので画像の質は大目にみてください。
ロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドフルレース初期のモカカップ&ソーサーです。アンティーク。
脚がついているのわかります?こんなです。
アーノルドクローがデザインしたときのデッサン画がよく紹介されていますがオリジナルデザインはこんなふうになっています。
定番として製品化するのはコストがかかりすぎて取っちゃったんでしょうね。
これはコーヒーですが現行品にはご承知のように脚ありません。
1924年製でした。ROYAL COPENHAGENの上のバー(線)でわかるんですよ。
写真ではわからないと思いますが感動したのはその薄さ!!
透かしてみるとパターンが全部透けて見えます。
カップもソーサーもほんとうに繊細そのものです。
手描きも丁寧で欲しくなったくらい。
続いてやはりロイヤルコペンハーゲンのアンティーク。
超絶人気ミッドサマーナイツドリーム(マイセンではありません)。
こちらもアーノルドクローが19世紀末にデザインした名品です。
アールヌーボー様式のフォルムにアンダーグレイズの淡い彩色。繊細で優雅。
「マーガレットサービス」という名前だったそうです。
1930年代まで制作されていました。
そして1980年代から1990年代前半まで復活。
が。あまりに手間がかかり過ぎるためコストが合わなくてまた製造中止。
洋食器の創美創業の頃は現役でしたからまだそろえている途中のお客様もいらっしゃいます。
ピンクとブルーがあって特にピンクは大人気。
こちらはそのピンクのティーカップ&ソーサーです。第二世代の作品でした。
多少高くなっても再度復活して欲しいですね。
ボール
「ボール」というとサラダボールが思い浮かびますか?
サービス用(複数人数分盛れるサイズ)のイメージ。
「コンポート」っていうと足付き。これもサービス用と個人用があります。
今日は個人用のボールについて。
日本語でいう「深鉢」、「お碗」みたいなアイテムはすごく使い勝手がいいですね。
サラダソーサーとかオートミールとかいう呼び方もします。
ウェッジウッドのコロシアム。カップの向こうにみえるのはサラダソーサー。
白磁なら天下無敵最強の
ベッキオホワイトはフルーツソーサー。
手描きで勝負。ロイヤルコペンハーゲンの
ハーフレースはボール16cm(574)。
みんなアイテムの呼び名が違って面白いです。用途は同じです。使えます。
カップ&ソーサーのソーサーが単独で使えるマイセンは何度かご紹介済みですね。
「青い花」は初登場です。相棒のコーヒーカップは右の方で花活けとして活躍。
サラダでもフルーツでもヨーグルトでもなんでもいいんです。
お酒を嗜みながらっていうときなんかいいですねぇ。酔えませんか。
コロシアムのようにそのままでもOKですが他の3例のようにケーキ皿やデザート皿を
敷くとよりいっそう優雅な気分を楽しめます。
いずれクリスタル系のボールもご紹介しますね。
藤沢「ヨーロッパ名陶名品展」
今週は今日から17日の月曜日まで
洋食器の創美藤沢店で「ヨーロッパ名陶名品展」開催です。
初日の本日と15日の土曜日は応援です。
鎌倉、鵠沼、茅ヶ崎・・・。湘南方面にお住まいの方。本当にいいものを気軽にご覧いただけます。
名店ビルの中2階です。
ビルの中で必ず迷います。駅直結ですのであきらめずにぜひお立ちよりください。
府中応援の日にちょっとお見せしたマイセンのチェスセット。
天才造形師M.Esserによって1923年にデザインされた逸品。
新進のアイデアが沸き起こる38歳のときの作品です。FormNr.60730-60735。
まさしくミュージアムクラスがふつうにご覧いただけます。
藤沢店で根強い人気のリヤドロも見ごたえあるアイテムが来ています。
でました。シンデレラ「王宮への一歩」。
“Cinderella’s Arrival”65cm×116cmの大作もふつうに置いてあります。
世界限定1500pcsのELITEシリーズ。一見の価値ありです。
バルコデフローレスも。
英名”Flowers forever”なのに製造中止です。
花の命は短くて・・・。
もちろん大物ばかりではありません。あらゆる名品を一度にお楽しみ下さい。
通路沿いの店舗ですのでお気軽に。
お得意様のコレクション(その4)
またまたお得意様からコレクションの画像を頂戴いたしました。
名品です。
今年で創立150周年を迎えるMoser(モーゼル)のショットグラス。アソートセットです。
メーカー自体がこういうセットを組むのはめずらしいです。
それぞれの素晴らしさへの自信の表れでしょう。
左上から時計回りに。
Copenhagen(1909年)、Maharani(1895年)、Lady Hamilton(1934年)、
Adele Melikoff(1922-1923年)、Paura(1902年)、Splendid(1911年)。
カッコ内はデザインされた年度です。
チェコのガラス工房モーゼルについては話が尽きません。
各国の王侯貴族専用工房と言っても過言ではありません。本当の本物。
酸化鉛の入っていない天然水晶に近い透明度のカリガラス(カリクリスタルとも呼ばれます)。
最高品質の手作り工房です。
モーゼルのことは日を改めて詳しくご紹介します。
ちょっと堅苦しくなりました。
バカラのマッセナにアイスティー。
マイセンの忘れな草の花冠(先日ご紹介したビーダーマイヤー様式です)のプレートにスコーン。
酷暑のさなかに涼しげな組み合わせで楽しまれたときの画像です。
うらやましい。
金彩ってはげますか?
「金ははげるからいやなの。」
ということで、カップの縁などに金彩のないタイプからお選びになります。
それはそれでいいのですが。
「金がついてるとチンできないでしょ。」(絶対無理ですね)
「金は取れますでしょう?」
とっても気になさいます。お安くはないですから慎重になりますね。
「お願い。絶対に取れたりしないって言って。」みたいにお尋ねがあるときもしばしば。
無情にも。
「取れます。」と申し上げるようにしています。
転写の金は毎日使っていると思いのほか早めに薄くなってきます。
日常使いのマグカップの金縁が半年くらいでスケスケになったことがあります。
潔癖症の同居人の洗いかたも問題があります。
①とにかく使ったら早く洗う
②シンクにまとめて浸け置かない
③泡たっぷりのスポンジで撫でるように洗う
なかなかできそうでできないことばかりですね。
でも少しの「愛」が必要です。
手洗い必須。拭きあげ自然乾燥必須。
そうすれば一代で金がなくなっちゃうようなことはまずないと思います。
手描きの金彩も扱い方はもちろん同様です。
でもマイセンやヘレンドで金縁がとれるくらい使い込むのは至難の業。
よほどのことがないかぎりまず大丈夫。逆にカッコイイです。使っている証。
「ハウスブランド」という言葉があります。
親子代々使い続けている洋食器のシリーズのことです。すごく大事にするわけです。
それにこたえるために作り続けるところが伝統的洋食器の良さだったんです。本来。
で、大切なお客様には代々使い込まれた食器でサービスするそうです。たとえ金が薄くなって
いても。
おもてなしレベルが高いほど。
そういうものなのですね。
シルバーのカトラリーも購入時点を基本にするのは無理な話。
だってその解決方法は「絶対に使わない」しかありません。
使い込んだシルバーがほんとうの食器としてのシルバーなんです。
気になるならそれなりに大切に扱いましょう。
気にならないならどんどん使って永く大事にしましょう。
どちらでも食器は喜びます。
スポード
SPODE since1770
根強い人気のブルーイタリアンで有名なスポード。
日本ではウェッジウッドがポピュラーですがボーンチャイナを生み出した英国を代表する窯
といえばスポードです。
洋食器の創美で大人気のブルーイタリアン。
スポードの創設者はジョサイア1世。一気に発展させたのは息子のジョサイア2世。
ジョサイア・ウェッジウッドとは別人です。
スタッフォードシャーのストーク・オン・トレントは英国陶磁器の中心地。
ウェッジウッド・スポード・ミントン・ロイヤルドルトンなどの工場が集中しています。
1700年代前半にこの地で有名な陶工に7歳のときから弟子入りして修行を積んだ
ジョサイア1世。
20年で独立。さらにその10年後にスポード設立。
修行時代の弟子仲間のなかにジョサイア・ウェッジウッドもいたところが歴史の妙です。
その頃からライバル意識があったかもしれませんよね。
創業250周年を記念して1983年にリニューアル発表されたトラップネルスプレイズ。
水色が新鮮ですてき。
未完成で粗悪な素材だったボーンチャイナを二代目ジョサイア2世のときに改良して
透明感ある現在のボーンチャイナ完成。
ファインボーンチャイナの登場です。
さらにジョサイア2世時代に銅版転写技術を開発。そして完成。
ファインボーンチャイナの完成と銅版転写技術の完成。
これなくして英国陶磁器界の発展は考えられません。
1806年にはその功績が王室にも認められ「ロイヤルウォラント」(王室御用達許可証)を
授かっています。
フルールドリスゴールド。英国王室の香り。