フランス国立セーブル製陶所
Manufacture Nationale de Sevres
いつも入荷するなり実店舗に出荷されるので撮影のチャンスがないセーブル
を先日何点か撮影することができました。
ただでさえ希少なセーブルのなかでもあまりでてこないティーカップ&ソーサー
がありますのでご紹介します。
Service Coupe, bleu, frise30, Service, a the
セーブルの品名はそのスペック(仕様)の羅列で決まります。
しかしてこのティーカップ&ソーサーは
「セーブルのサービス用のクップというシェイプのティーカップ&ソーサーで色は
ファットブルーで金彩(フリースNo)は30番」ということになります。長っ!!
このクップというシェイプはナポレオン1世統治下の
1810年前後にデザインされた典型的なアンピール
スタイル(皇帝が好んだ様式)です。
スマートなカップにやや高めの脚。優雅なハイハンドル。
皇帝好みの華やかな金彩が1000種類以上のなか
から選ばれます。
コバルト彩色を三回繰り返すファットブルーは別名
「王者の青」。
セーブルのなかでもあまり作られていないひじょうにめずらしいフォルムです。
脚もソーサーのすべりの裏もファットブルーになっているでしょ。
セーブルでは常識です。
セーブルの詳しい説明は洋食器の創美オフィシャルサイト名品特集第七回
「セーブル」(渾身の作です)でご覧いただけます。→こちらです。
このカップ&ソーサーは大胆にもネットショップにもアップしています。
今なら数店舗に入荷していますからご興味がおありでしたらどうぞお問い合
わせくださいませませ。
昨日時点で
府中店・横浜店・藤沢店・福岡店にあるはずです。
お値段? 表示されていても交渉してみるのが裏管理人「関西流」です(笑)。
セーブル ア・ラ・シノワ
ブログのプロフィールで使っている写真。
初代はこちらでした。
マイセン初期の天才絵付師J.G.ヘロルトの
生誕300周年記念作品。
1996年に発表された限定品です。
ヘロルトのことは何度もご紹介済みですね。
化学者としての磁器絵の具の開発と同時に
芸術家としての絵柄の考案と自らの絵付け。
ヘロルトなくしてマイセンなしといっても過言
ではありません。
これがヘロルト考案の代表的モチーフのひとつ、中国人人物画いわゆるシノワズリです。
未知なる東洋への憧憬の表現。
作品としてのヨーロッパ磁器文化のルーツということで採用したのでした。
で。現行の二代目。
セーブルの「黒地に金彩とプラチナ彩の中国人」。
いわゆる「アラシノワ」です。
ア・ラ・モードのアラです。
最初、「荒シノワ」と思ってました(笑)。
こちらはアンティークではありません。
孤高のフランス国立磁器窯セーブルの作品です。
しびれます。
シェイプはリトロンのコーヒーですね。
1720年代のほんとに初期のマイセンでは「外絵付け」(マイセン以外で絵付けされた作品)
の名品があります。
ハウスマーラーという独立した絵付け工房がアウグスブルグに存在していたわけです。
ゾイターなどそれらのハウスマーラーによるアンティークマイセン(厳密にはマイセンでは
ありませんが)で「金の中国人」というモチーフがあります。
美術館クラスの価値があります。
そのセーブル版です(これはアンティークではありません)。
しかも黒地です。漆黒の地色はセーブルの考案です。
セーブルの前身ヴァンサンヌ窯はマイセンの模倣による東洋趣味の作品に力を入れてい
ました。
その復刻版です。何度でもしびれます。
実はこの作品には苦い思い出があります。
「実物を見ていない」のです。
数点入荷があって最後の一点をこのブログでご紹介させていただいている藤沢店のお得意様
にご案内しようと思っていたら寸前で洋食器の創美の他の店舗でご成約・・・(泣)。
そんなこんなでマイセンとの関連性と美しさで看板にさせていただいています。
セーブル ~ 幻の陶磁器 vol1.
セーブル(フランス国立セーブル製陶器所)Sevres その1.
陶磁器のセーブルです。毛皮ではありません。
ポンパドール夫人のバックアップで王立となって以来、最高の品質を命題にひじょうにグレードの高い作品を制作し続けています。
歴史についてはまたいずれ。
とにかくセーブルです。いいです。希少です。特殊です。
国窯であることが他の窯(ブランド)と一線を画するポイントです。
今も国家レベルのオフィシャルギフトやエリゼ宮への納入品がほとんどを占める特殊性。
シラク大統領の再選を記念して制作されたバスケット
制作に携わるあらゆる工程の職人の総数たった100人弱(けっして多いほうではないヘレンドでもペインターだけで600人といわれています)。
各工程4-5人ということは、いかに熟練職人に絞り込んだ制作を徹底しているかということです。
少数精鋭。
それもこれも国の窯だからできることです。
一営利企業では、こういう姿勢は貫けません。とんでもない価格にしなければ成り立ちません。それも売れないとやっていけません。
何点ものセーブルをご用命いただいた裏管理人はいつもその点を強調します。まずそれを理解することが大事だと思うのです。
正規代理店がないってすごいでしょう。
世界中で唯一日本のバカラが代理店となっているそうですが、最初に作ったカタログが存在するだけっていうのが実情です。
だからこそ
幻の陶磁器と呼ばれるのですね。購入の手立てがほとんどないといっても過言ではありません(工場のなかにだけショップがあります)。
アールヌーボー期の復刻品です。
こちらでご紹介しているセーブルは洋食器の創美(Sohbi)のお得意様のお手元で大事にされている作品です。
洋食器の創美(Sohbi)では年間130点以上のセーブルの販売実績があります。
ネットショップに出せないのが残念(泣)。
洋食器の創美(Sohbi)の
ヨーロッパ名陶名品展でご覧いただけます。
商品説明はvol.2で。