Sitzendorfer since1850 その3.
三連続登場のジッツェンドルファの最終回(まだがんばりますが)は
もちろん、磁器レース人形です。
磁器焼成によるレース人形を世界で初めて世に出したのがジッツェンドルファです。
よく似たレース人形はアイリッシュドレスデンが有名です。
第二次大戦後にロシア軍の圧制から逃れてドレスデンを脱出してアイルランドで工房を構えたのがアイリッシュドレスデンです。1963年に再開されたと言われています。
型を携えてはるばる海を越えたサア夫妻の努力の賜物です。
そのオリジナルともいえるジッツェンドルファのレース人形。
世界限定30体の2003年モデル。
とにかくレース職人の繊細な技と感性がものをいいます。
レースの自然なたわみにいつも感心します。
研修での貴重なレース職人の仕事ぶりをご覧ください。
①レースリボンに慎重に磁土を塗ります。
②自然な動きになるようにレースを付けます。
③形を整えます。
①でレースのリボンに塗った磁土が焼成されてリボンが燃え尽き磁器のレースが残る
わけです。
少しでも磁土の厚みが均一でなかったりすると焼成時の収縮で割れてしまいます。
レース職人はみな女性で4人しかいないとのことでした。
いかに手間がかかるかおわかりいただけますね。
ほとんどがレースで覆われた2005年限定モデル。高さ32cm。
かわいい娘たちもいます。
一番大事なお顔。
アップの写真がありませんが何度も協議とリクエストを重ねた努力が実ってみなさんとっても上品なお顔立ちになっています。
洋食器の創美ではいつでも特別価格で取り扱っています。
急遽、明日続編。。。。
ジッツェンドルファ その2.
ジッツェンドルファ
Sitzendorfer since1850 その1.
ジッツェンドルファはドイツのチューリンゲンにある装飾磁器工房です。
燭台、ランプ、フィギュア、時計、鏡・・・。そしてレース人形。
手間(=コスト)のかかる装飾磁器はいまやどこの工房もあまり手出ししませんが
ジッツェンドルファはその専門工房として稀有な存在です。
150年以上のクラフトマンの技術開発と継承による伝統的技法のなせる技ですね。
幅80cm。
ちゃんとカタログ掲載された現役アイテムです。四頭だての馬車には二人の貴婦人が。
このクラスの馬車系だけでも5アイテムあります。どれも発注可能。
高さ60cm近い装飾時計。
置時計も20種類以上がスタンバイしています。
アンティークではありませんから時計が機能するところも大事なポイント(電池です)。
高さ1m!のベースもなんどか入荷しました。作っていることがすごいです。
「いつでも受注生産できる体制=職人を維持している」ということは現代ではとてもたいへん
なこと。毎年新作発表する努力も怠りません。
洋食器の創美では創業期からのおつきあいで工場見学や商品開発まで参加するほどの
関係です。
ということで、3回にわたってご紹介いたします。
通勤路
趣向を変えてちょっと雑記風。
新宿まで40分弱ですが自宅から最寄り駅までのショートカットコースは自然?がいっぱい。
あまりこの秘密のコースを通る人はいません。
片側は護岸工事のない用水路。
トトロが出そうです。ザリガニの後ろ向きダッシュの水音。
蝉しぐれからこおろぎの鳴き声へ。
ほんの200mくらいのコースですが季節の移ろいを感じます。
夏の終わりににはこんなのが必ず。
で、最寄り駅から洋食器の創美事務所までにも必殺ショートカットコースがあります。
30mあるかないかですが、先週朝そのコース上で愛機SH702iD(ふるっ!)三連写炸裂。
なんにも感じずに通過するか愛でるゆとりがあるか。
5秒立ち止まっただけで気づくことがあります。
もっともっと花咲き乱れ、果実実る時代に花文様の洋食器が生まれたのもさもありなん。
そっくりさん
ロイヤルコペンハーゲンのヘンリエッテとフィステンベルグのグレッグ
瓜二つの製品てけっこうあります。
ヨーロッパの磁器製品も例外ではありません。
マイセンの麦わら菊とロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッドや50の窯が作っているといわれるマイセンオリジナルのブルーオニオンのこともご紹介済みです。
「小花散らし」でもありましたね。
今日の一例は。
ロイヤルコペンハーゲンの名品ヘンリエッテのそっくりさん。
こちらがロイヤルコペンハーゲンのヘンリエッテ。
製造中止です。
この写真はアンティーク。
カップが12面取りになったアンギュラというシェイプ(以前ブルーフラワープレインも作られていました)を活かしきったデザインです。
このシェイプを完成させたのもアーノルド・クロウ。
もちろん金彩も含めてすべて手描きです。
フローラダニカで手一杯になってしまったのか10年以上前に廃番となりました。
で。こちらはドイツのフィステンベルグのグレッグ。
現役です。
花模様のパターンが異なりますが形までそっくりでしょう。手描きではありません。
どういういきさつかは不明です。
いずれにしても「偽者」というのは間違い。意匠登録して云々の時代ではありませんでした。
いかな名窯でも経営が苦しいときは必ずあります。
パターンを譲ることもあったでしょう。
それにしても本家(のはず)が製造中止になって分家(のはず)が生き残っている点がなんとも皮肉な関係だと思いませんか。
引出物にBBプレートが人気なわけ
引出物なら洋食器の創美におまかせ!
以前にブログでも引出物のことはご説明しました。
実際に店舗で直接お客様をご案内経験がある強みです。
BBプレート。ブレッド&バタープレートのことです。
このアイテムがよく引出物に選ばれます。
「チャイナならBB。グラスならワイン。」ということわざがあるくらいです(ありません)。
一時全盛を誇ったウェッジウッドのコロシアムとナンタケット。
好みのない白。
「まっさらな二人の白生地ががこれから鮮やかな色を染め上げます。」って元呉服屋の
裏管理人はなんども結婚式のスピーチで聞きましたっけ。
そういう意味もこめて「白」。
本来一枚で使うもの。
引出物は予算もあるのでなかなかペアにできません。
以前ご説明したように洋食器は偶数が基本。
そこでサービス用(個人用)アイテムなら単品でおかしくありません。
何人いてもこんな感じですから。
そこそこ見栄えも。
お皿一枚だからそれなりにサイズもあったほうがいいです。
かといってあんまりかさばって重いものを持ち帰っていただくのはトレンドではありません。
一辺27cm前後のBBプレートはその点もバッチリ。
知名度。
ヨーロッパ発の洋食器から選ぶ限り全員にわかってもらうのは無理。
でも少しでも名の通ったブランドをっていうのが人情です。
ウェッジウッド、ミントン、リチャードジノリ、ロイヤルコペンハーゲン、エインズレイ、ボヘミア
などの出番です。
こちら最近人気のミントンのビクトリアストロベリーホワイト。
ほかにもたくさん選択肢がありますが引出物となると俄然注目されるBBプレートのお話でした。
津田沼店の名品展
今日から21日の日曜日までの五日間、津田沼店でヨーロッパ名陶名品展開催です。
例によって初日の今日は応援です。
裏管理人は津田沼店の開店メンバーだったのです。
いいお客様ばかりで楽しいお店です。
ブログでお話していることも津田沼店のお得意様に教わったことが数知れず。
営業ですからおすすめするのが当然ですがお話すること自体が楽しみなのはこちらのお得意
様の方々ならではです。
T様、H様、S様、I様、M様、F様、K様、O様、Y様、N様、・・・。きりがありません。
そしてもちろん初めてのお客様大歓迎です!!
気取らない気さくなお店でふつうは気軽に見れない名品の数々をお楽しみいただけます。
お待ちしております。
ロイヤルコペンハーゲンのフルーテッド (その1)
ROYAL COPENHAGEN
Fluted
ブルーフルーテッドのプレイン、ハーフレース、フルレース。
ブルーフルーテッドのメガ。
プリンセスブルー。
ホワイトのプレイン、ハーフレース、フルレース。
みんなフルーテッドの仲間です。以前は色違いの友達もいました。
フルーテッド(縦溝)地模様の共通性ででまとめました。
ホワイトハーフレースとかじゃなくてホワイトフルーテッドハーフレースと呼べばわかりやすいです。言いにくいですが。
ブルーフルーテッドプレインが最初です。1775年。
先輩プレインに遅れること113年、1888年にハーフレースとフルレース登場。
マイセンから譲り受けたパターンがまさしくブルーフルーテッドプレインです。
そこからアーノルドクロウがバリエーションを開発してフルレースやハーフレースが生まれたわけです。
洋食器の創美の創業期はフルレースが一番人気でした。
マイセン(ブルーオニオン)よりステータスが高い女性憧れの的。
当時フルレースのティーカップ&ソーサーが33,000円!
がんばってお安くしていましたがとにかく主力品でした。
ブルーフルーテッドプレイン派はレース文様がダメですっきりがお好き。
ブルーフルーテッドフルレース派はもうこの繊細さにメロメロ。
ブルーフルーテッドハーフレース派はいいとこ取りの堅実タイプ。
そんな感じです。
おすすめサイトのmarokaさんのブログにちょうどいい記事があります。
お伝えしたいことがたくさんあるシリーズですので続編がんばります。
つづく。。。
マイセンのフィギュア
マイセンの人形が登場していませんでしたね。
話が長くなるので避けています。
「磁器人形」っていいますが「猿の楽隊」は「人」ではありません。
「フィギュア」(姿かたち)とか小さいと「フィギュリン」とか呼ばれます。
アキバ系のおかげでよく聞く用語になりました。
ありとあらゆるマイセンフィギュアが存在します。
今日はあえてマニアックに限定品マイセンzoo?へようこそ。
マイセン2005年限定100体のElephant。900184/78956高さ13cm
18世紀半のJJケンドラーの作品の限定復刻品です。
当時はビデオもカメラももちろんインターネットもありません。
天才ケンドラー。
きっと伝聞をもとに「鼻の長い耳の大きい四足の大きな生き物」を作ったんでしょう。
象を。
お眼目パッチリ。耳が人の耳みたい。後ろ足は忠実に四足動物の特徴を表現(裏目)。
写真ではみえませんが口には人のような歯が並んでいます。
でもちゃんと「象」してます。
翌年の2006年の限定品のなかにはこんなフィギュアが復刻されました。
マイセン2006年限定Rhinoceros。
900184/78958高さ11cm 作者不明。
こちらも18世紀どまんなか。象とちがってかなり正確です。
二年続けて「マスター&リミテッド」のテーマでマイセンが採り上げた初期のフィギュアです。
スポード SPODE
スポードのブルーイタリアンは洋食器の創美の人気品です。
工場移転も落ち着いて入荷が再開し始めました。
今日はブルーイタリアンの仲間をご紹介しましょう。
タワーブルーとタワーピンクです。
タワーブルーは1814年、タワーピンクは1835年の発表です。
風景の絵柄だし銅版転写だしブルーイタリアンと共通点が多いです。
ブルーイタリアンは1816年発表ですからタワーブルーが二年先輩です。
いまや後輩がスターですね。
銅版転写ですから個体差もありますがタワーブルーのほうが少し濃いブルーです。
ガドルーンシェイプという銀器から着想してデザインされた形が独特です。
カップのハンドルの形やプレートの縁のレリーフの特徴がおわかりでしょう。
ファインボーンチャイナと銅版転写の完成がスポードの最大の功績です。
この仲間をコレクションするのも楽しそうです。
丈夫です。お手ごろです。
しゃれてます。