第三弾はMoserからの出展です。
昨年150周年を迎えたチェコのガラス工房モーゼルのことは何度かご紹介済みです。
2008年新年早々の研修旅行での工房見学の様子もチラッと。
実は150周年記念企画としてモーゼル社に制作してもらった洋食器の創美の
特別オーダー作品があります。
10点限定ですが
シリアルNoを入れないことと(限定)証明書を発行しないことが条件でした。
並行輸入業者のつらいところですがその関係は深く強く美しい。
そういう受注こそ伝統的職人気質のモーゼル工房の本来の姿なのかもしれません。
昔ながらのじっくり制作で少しづつ入荷しています。
Moser Vase-beaker
Form and decoration:designed by
G.Gollwitzer,1942,prod.no.647,
ordered by Sohbi,2007,150th
anniversary,limited edt.10,H15cm
’ordered by’以降は今つけました(笑)。
最高にすてきでしょう?
スペックにあるように1942年にデザイ
ンされた逸品の10点限定復刻です。
ドイツ人デザイナーのゲルハルト・ゴルヴィッツァーによるモーゼルにしてはめずらしい
繊細でエレガントなフォルム。
エングレーブ(彫刻)パターンはドイツの詩人E.メーリケによる「美しきロートラウト」から
着想された狩猟の場面。
スイスの作曲家O.シェックによるメーリケ独語歌曲集にも採り上げられているその詩
を読めば恋心が伝わってきます。けっして血なまぐさい狩猟画ではないのです。
メルヘンの世界を想わせるパターンとそれにマッチしたフォルム。絶妙。
詩で繰り返される「黙ってろって、この心!」のフレーズは抑えきれない喜びの表現と
解釈されているそうです。
府中店名品展でご覧いただければ「黙ってろってこの心!」です。
ウェッジウッド サラズガーデン
WEDGWOOD Sarah’s Garden
あんまり名品特集ばっかり続けると疲れますね。
印象に残っているウェッジウッドのご紹介でちょっと息抜きしましょう。
裏管理人が梅田店店長時代にウェッジウッドのサラズガーデンというシリーズが
たっぷり入荷したことがあります。
とにかくアイテム数が多くて陳列に困りました。
オイル・ビネガーポットやエッグカップから
テーブルマットにコースターまで色違いも
含めて実に70種類以上のラインアップ(汗)。
1998年発表のカジュアルウェア提案。
丈夫なクィーンズウェア製品です。
「やる」と決めたらとりあえず全部チャレンジ
していた洋食器の創美イケイケ時代です。
人気は上々でしたが管理しきれなくて縮小していったような。
ウェッジウッドで一度にそんなに多くのアイテム数を演出してみたことがなかったからか
妙に印象に残っています。
サラズガーデンというくらいですからこういうシチュエーションが似合います。
洋食器の創美では今はもうほとんど扱っていませんがヨーロッパのカタログを見るとまだ40アイテム以上が健在でした。
コテージ風の別荘やガーデンパーティーにバッチリですがふだん使いに。
復活させてみます?
あとですね。完全に余談ですが、
「サラ」で料理や食事というとどうしてもTDLの「グランマ・サラのキッチン」が連想され
ちゃうんですねぇ。
あのレストランにも似合いそうな気がします。
府中名品展(3/12~3/16)予告編その2
昨日に続いて
洋食器の創美府中店「ヨーロッパ名陶名品展」(3月12日~3月16日)に出展予定の
名品逸品ご紹介第二弾。
Julius Konrad Hentschel(1872-1907)
ヘンチェル人形ってご存知ですか?
マイセンでひとつのカテゴリーになっている磁器人形です。
マイセン生え抜きの造形彫塑師J.K.ヘンチェルが考案したユーゲントシュティール
(アールヌーボー)様式の子供を主題にした作品群のことです。
こんな作風です。
こちらは2003年マイセンデイズで発表された
各300体限定の特別色。
大きさ(高さ)は左から12cm、8.7cm、16.5cm。
マイセンの他の磁器人形とはずいぶん違う
イメージでしょ?
やさしい癒し派です。
これは入荷しませんのであしからず。
P.ショイリッヒや一度チェスセットでご紹介したM.エッサーなどマイセンにもユーゲント
シュティール(ドイツではアールヌーボーのことをこう呼びます)の芸術家はいましたが
彼らはマイセン以外で名を成してからマイセンに招聘されました。
J.K.ヘンチェルはマイセン付属養成学校からの生粋のマイセン職人です。
誰もが欲しくなる「ミルクを飲む男の子」。
両手でもっているカップはちゃんとブルー
オニオンのパターンが描き込まれています。
このように色彩のやさしい人形絵付けになる
のがお約束です。
どの子も後頭部がなんともいえずそれらしい
ことにいつも感心します。
で。うまくいけば府中店名陶名品展に入る予定のヘンチェルの作品が
こちら。
1999年発表限定19セット(証明書付き)の
ヘンチェル人形4体のデスクセット。
ペン皿とキャンドルスタンドとメモ台にペー
パーウェイトのセットです。
それぞれにかわいい子供の人形がアレンジされています。
まず今後の入手は困難な超希少品です。
世界で19セットってすごい。
特別なマークとシリアルNoも入っています。
「この子だけ」とかはご容赦(限定作品の価値がなくなります)。
4人養えることが前提となります(笑)。
府中名品展予告編その1
洋食器の創美府中店で「ヨーロッパ名陶名品展」を開催します。
3月12日(水)~3月16日(日)の5日間限り。
「ヨーロッパ名陶名品展」はよく応援入店で記事にしていますが今回ばっかりは担当店
でもありますから、申し訳ないくらい連続ご案内となることを宣言しちゃいます。
もちろん主題はちゃ~んと名品逸品の紹介ですからしばらくお付き合いくださいね。
そのかわり、
上記期間中府中店でご購入のお客様で「インターネット(ブログ)見た」とおっしゃっていた
だけば正式なご招待状がなくても特典あり! って今決めました。
極力、期間中にご来店いただければご覧になれるアイテムに絞ってご紹介しますね。
第一弾。
Meissen 205584/50m22
Vase,Flower painting mid19th century,coloured
2005年の世界50点限定制作品です。
もちろんシリアルNo入りで証明書付き。
高さ35cmの大作。
どうですこの壮麗な花絵付け。
パノラマ状に途切れるなく手描きするひじょうに
高々度な技法です。
こちらも拡大画像鑑賞推奨品です。
通称「クレタベース」。
絵付けも超絶ですがこの形がまたすばらしいんです。厚みは2cm近いのではないで
しょうか。
古代ギリシャ時代にぶどう酒と水をまぜるときに使われた器に着想して1865年に
マイセンが作ったクレタベースの原型は高さ60cm近い威容を誇ります。
これでも小さくしたということですね。
迫力ありますよ~。
価格?
迫力ありますよ~。会場で喜んで直接ご相談承ります(笑)。
ウェッジウッド ハーモニー
WEDGWOOD Harmony
スウィートプラム、プシュケに次いでようやく洋食器の創美デビュー。
入荷は今月の中旬予定です。
一見シノワズリ調ですが実はヨーロッパ風味。
WEDGWOODジャパン様によると三美神に着想
して考えられたパターンとのこと。
Three Graces。「愛」、「純潔」、「美」の女神。
そして花籠や壷、花綱状の飾り模様。
新古典様式とビーダーマイヤー様式の「調和」
(ハーモニー)ともいえるパターンです。
マイセン的説明のできるところがGOOD。
控え目なブルーにも好感が持てます。
スウィートプラム、プシュケ、ハーモニー。
2008年並行輸入debutのこのウェッジウッド
三羽烏けっこういいです。
裏管理人はハーモニーおすすめです。
男性にもいいかと。
なにかひらめかないかと「ハーモニー・調和・ハーモニー・調和」と頭の中でグルグルさせ
ていると(一応記事の流れを考えるんですよ。これでも。)、
突然「人類の進歩と調和」のフレーズが思い浮かびました。EXPO70。
お若い方には「?」ですね。「こんにちわ~こんにちわ~♪」です。大阪育ちの裏管理人は
何回も行きましたね~。「月の石」、「動く歩道」、「太陽の塔」…。
残念ながら「オチ」のない着想でした。
紅梅白梅
自宅の梅の蕾がほころびました。春の予感。
紅梅と白梅なかよく咲きました。
「仕事で使うから」と100万回唱えてようやくデジカメをGET。
愛機ケータイSH702iD(ふるっ!)からIXY910ISへ。最初の画像です。
梅が咲いたらこれしかありません。
HEREND ’Prunier famille noir colore’
和名「黒地紅梅」(PFNC)。
ご覧のように紅梅も白梅も表現されているのに
「紅梅」としてしまったのがちょっとややこしい。
画像がなくて残念ですがこのパターンで花をまっ
たく彩色していないタイプもあってそちらを「黒地
白梅」としているんです。
ちなみに黒地白梅はPFNB。’Prunier famille noir
blanc'(PFNB)の略です。
ね。ヘレンドのパターン名は彩色(colore)しない空白(blanc)っていう表現です。
でもまあ「黒地白梅」で正しいわけですからそれはそれでいいんです。
目くじら立てることはありません。
ただね、さらにこんなのもあって。
HEREND ’PFC’
「白地紅梅」となります。
地色の「黒」のnoirがパターンイニシャルから
消え去りました。
こちらはさすがに白梅がありません。
「黒地紅梅」、「黒地白梅」、「白地紅梅」。
ある意味わかりやすいです。
「白地白梅」もリクエストしてみましょう(笑)。
絵画つながり
My favorite item4でマイセンのV.ブレッチュナイダーのことに触れました。
昨日はペルシャ絨毯絵画のことをご紹介しました。
今日はV.ブレッチュナイダーの直筆絵画を数点ご案内させてください。
水彩ですが色使いなどに「らしさ」があります。
左はマイセンといえばこの眺めの「エルベ川とアルブレヒト城」。
16世紀にマイセン市内に建てられたこの城と聖堂は1710年からJ.F.ベトガーの
仕事場ともなりました。
ヨーロッパで初めて硬質磁器製法を開発したJ.F.ベトガーはそのプレッシャーと
薬品とそれをまぎらわす飲酒が原因でわずか37歳で生涯を終えます。
城内には「ベトガーの間」が今も公開されています。せま~い、くら~い一室です。
そういえば研修旅行の際に尖塔の上の方まで登らせてくれましたが真剣に怖か
った記憶が…。
右は裏管理人にも馴染み深い荒川上流です(嘘)。場所は不明です。
絵画の良し悪しはよくわかりませんが自分が
好きなデザイナーですからなんでもよく見え
ます。
マイセンの一流ペインターともなれば美術大学
で学んだりマイセン付属養成学校で研修したり
した上で研鑽に研鑽を積んでさらに認められて
初めて一人前なわけですから、
あとは個性ですね。
上の「川」風景画二点はV.ブレッチュナイダーが20歳代のときの画ですが、
マイセンの養成学校入学が14歳でしたからもうすでに稀有な絵付師の片鱗
を見せ始めているわけです。
いつのころから花とフルーツを主題にするようになったのでしょうね。
これはなに?
「ヨーロッパ名陶名品展」にはさまざまな名品がそろいます。
先々週の雪の梅田店からも何回かご案内しました。
例の愛機SH702iD(お約束のふるっ!)ケータイ画像がまだありました。
この絵なんですが…。
なんともピンボケで申し訳ありませんが何に見えます?
もちろん「花」ですが、陶板とか油彩とか。
実はこれペルシャ絨毯なんですよ。
Tabriz(タブリーズ)産。
「絨毯絵画」とも呼ばれます。
イラン国内でも憧れのペルシャ絨毯産地でひじょうに
細密な逸品を織り上げる工房が集中しています。
実物を見ても遠目ではとても織物には見えません。
間近でみるとたしかにペルシャ絨毯です。
タテ糸が二本一組という世界で唯一の織物、ペルシャ
絨毯の世界もたいへん奥深いものがあります。
実用性が忘れられがちなところが惜しいですね。
こちらは観賞用にデザインされていますから実用性
云々には当たりませんが。
価格帯の広さには驚きますが洋食器の創美なら
安心です。
来月は裏管理人の担当実店舗府中店が「名品展」を開催します。
陶磁器、ガラス製品にとどまらず、イタリアンクラシック家具・ペルシャ絨毯まで
すごいことになります。します。
ぜひお楽しみに。
ウェッジウッド 製造中止品カタログ その3
カラーバリエーション その3
HEREND MAC&MACV
カラーバリエーション第三弾はヘレンドのシノワズリシリーズから。
地色違いの2パターンの出場です。
左:マカオ(MAC=Macao)、右:マカオグリーン(MACV=Macao vert)。
マカオブラックとは呼びませんから黒地がマカオのオリジナルなんでしょうね。
彩色で白磁の地色の部分をすべて埋め尽くすファミーユ・ノワール技法の代表的
パターンです。
澳門でマカオ。
大人の漢字脳ドリルに出てました。
東洋の未知なるイメージに極楽鳥が
つながったのでしょうか。
まさしくエキゾチックな色合いです。
それにしてもマカオ(黒地のほう)の
次にさらにグリーン地を着想すると
ころがすごい。