アウガルテンのチェスセット

以前マイセンのチェスセットをご紹介しましたがご記憶にありますでしょうか?
M.エッサーによる1923年の名品でしたね。
「横浜モアーズ店ファイナル名品展」ですてきなご夫妻にもらわれていきました。
先日府中店に入店した際にアウガルテンのチェスセットが入荷。初めて見る
アイテムでしたので激写してきました。
    アウガルテン チェスセット_1  洋食器の創美 アウガルテン チェスセット_2  洋食器の創美
ちょっとわかりにくくて申し訳ありません。
1924年にデザインされて別名アール・デコ展と呼ばれるパリ万博(1925年)に出展されて
注目を浴びた作品です。
駒がアウガルテンの磁器人形。
アウガルテン チェスセット_3  洋食器の創美 品番011_210_1518
 チェス盤は鏡でした。
 それぞれのフィギュリンがなんともいえず可愛い。
 キングとクィーン、ビショップとポーン、ナイトとルーク。
 チェス盤から離れて飾れる雰囲気です。
 チェスというより小さな磁器人形コレクションとして
 おすすめしたい逸品です。
どなたかに”checkmate”されるでしょうか。

府中名品展(3/12-3/16)予告編その4

HARLEKIN(アルルカン)
英語読みでハーレキンとも呼ばれるマイセンの有名な磁器人形があります。
ルネサンス期にイタリアで発祥したコメディア・デラルテ(イタリア喜劇)はもともと
広場や街角で演じられる大衆芸能だったとのことです。
それが18世紀半ばにかけてヨーロッパ中で人気を博して広まりました。
キラキラの派手な衣装と仮面が特徴的で即興の台詞と演技が要求されたとか。
マイセン アルルカン  洋食器の創美 マイセン初期の天才造形師J.J.ケンドラー
 が磁器人形にしてみせたのがこちらです。
 14-15種類ありますが右のアルルカンが
 特に有名です。
 
 高さ23cm/原型デザイン:J.J.ケンドラー
 1764年の発表作です。
 躍動感溢れる動きがすばらしい。
品番900300/64551で定番化されています。
2006年はJ.J.ケンドラーの生誕300周年でしたので彼の代表作の限定記念品が
数多く発表されました。
画像が無くて残念ですが右の人形の特別彩色限定50体バージョンが府中名品展
に入荷します。ぜひともご一覧下さい。
そういえば先月ご紹介した「ウッツ男爵」が遊んでいる人形はこのイタリアンコメディ
シリーズでしたね。

梅に鶯

ここのところ開花情報記事と化して、「梅」と「河津桜」の開花をご案内しました。
紅梅白梅 梅に鶯。
 良い取り合わせの意で用いられますが梅の
 蜜をよく吸いにくるのはメジロです。
 我が家にもちょくちょくやってきます。
 キレイなウグイス色ってメジロの色。ウグイス
 はほとんど灰色です。
 イメージが逆の方が多いのではないでしょうか。
♪梅~は~咲い~た~か♪さく~ら~はまだかいな~♪とよく母親が口ずさんでいま
した。柳がどうのと続いたような。
突然ですがHERENDにそれらしきフィギアがあります。
ヘレンド フィギリン_1  洋食器の創美 ウグイスもメジロもいませんがこんなです。
 一連のC品番。
 世の東西を問わず季節の移ろいは題材に
 なりやすいようです。
 花が梅・桜系に見えませんか。
 今よりずっと鳥も花も豊かでしたでしょうか
 らバリエーションも豊富です。 
 花木と鳥が一緒になっためずらしいアイテム
 ですね。

河津桜

Prunus lannesiana ‘Kawazu-zakura’
河津桜_1 例によってリフレッシュのために2月から咲き始
 める伊豆の「河津桜」を見に行ってきました。
 びっくりです。3月5日というのにこんなでした。
 ソメイヨシノと違って強めのピンク。
 ネット用の撮影をお願いしているカメラマンさん
 の専門が「桜」なんですがソメイヨシノの花びら
 って白なんですってね。
 ご覧のようにまさしくピンク満開。
河津桜_3おろしたてIXY910IS炸裂!
2月初旬から咲いたりけっこう気まぐれだそうですが開花期間が1ヶ月近いとのことで「花は桜木、男は武士」とは言えない桜です。
たしかに一切花びらは散っていませんでした。時が経つほどにピンクが強くなるそうです。
さっと咲いてパッと散る潔さが日本人好みといわれますが日本一早く咲いて丈夫で長持ちの河津桜は地元の方にとっては孝行者の桜ですね。
で、「洋食器の話はどうしたっ!?」
二番煎じですがこれしかありません。
エインズレイ チェリーブロッサム_1  洋食器の創美 Aynsley  Cherry Blossom
 
 ティーフォーワンの記事で一度ご案内しましたが
 チェリーはかなりいろいろありますが「桜の花」の
 パターンの洋食器はこれしかないような…。
 今こそ「入学祝」に!!
 ちなみに次男坊は日本男児らしく見事な散りざま
 でした(笑)。

マイセン 「珠遊びをする少女」

Meissen ’Woman with ball’
ヘンチェル人形を先日ご紹介しましたが、マイセンのユーゲントシュティール
(アールヌーボー)の磁器人形からもう一つ。
とっても有名な女性像です。
「少女」と呼ぶにはあまりに艶めかしいお姿。
アンティークマイセン W.Schott  洋食器の創美 W.Schott作
 この女性像をデザインしたウォルター・ショットもアー
 ルヌーボー期のマイセンの著名なデザイナーです。
 1897年のドレスデン展示会に出品されて一躍有名
 になりました。
 アンティーク市場でも人気アイテム。 
 薄衣から透ける肌とその質感。
 微妙な絵付けによる表現と型が見事にマッチしなけ
 ればいい作品にはなりません。
ごくまれにピンクバージョンがあって状態がよければひじょうに高価になります。
上の写真はアンティークです。
   そして。2006年限定の「少女」がこちらです。
マイセン W.Schott  洋食器の創美
  2006年 ltd100 90a099/73415 H30
  Woman with ball,blue garb,coloured with gold
  こちらは2006年度限定版です。
  名品の100体限定復刻ですがご覧のようにブルーの
  衣装です。
  この逸品が限定現行品として入手できる機会ってい
  うのはまずありません。
  何度見ても薄衣と素肌の表現にため息がでます。
  復刻メニューに選ばれるほど重要な作品ともいえま
  す。
アンティークとして確固たる人気をもつアイテムの復刻限定品。
おすすめです。

ローゼンタール 魔笛ゴールド

Rosenthal studio-line
‘Magic Flute’ form:Zauberflote11260/dekor:206503
ローゼンタールではデザイナーを外部から招聘して作品を制作する部門があって
その製品群を’studio-line’と呼んでいます。
かのアンディー・ウォーホルによるアイテムもあります。
ヴェルサーチのすごいのもありました。
「魔笛」シリーズは1957年の39歳のときからローゼンタールで活躍し続けた
ビヨルン・ウィンブラッドの代表作の一つです。
ローゼンタール 魔笛ゴールド_3  洋食器の創美  ローゼンタール 魔笛ゴールド_2  洋食器の創美
B.ウィンブラッドはイラスト・陶芸などにとどまらずオペラ・バレエの舞台衣装のデザイン
においても世界的に活躍した舞台芸術家でもありました。
そういう関連もあったのでしょうか、
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(すごい名前!フルネームでインプットされてます)
が生涯最後に完成させたオペラ「魔笛」を題材にデザインしたのがこちらなんですね。
ローゼンタール 魔笛ゴールド_1  洋食器の創美 画像がなくて残念ですがソーサーやプレートの
 裏にはオペラの台詞が金文字で描かれています。
 以前はブラックもありましたが今はこのゴールドと
 ホワイトの二種類のラインアップ。
 ちなみにゴールドはザラストロ(Sarastro)と呼ばれ
 ていますが、それは「魔笛」の登場人物の神官の
 ことです。
ソーサーやシュガー・クリーマーのトレーは一番上の写真のようにくぼみがあって
そこに糸切りのないカップやシュガーをセットするようになっているのもユニーク。
関西育ちの裏管理人はシュガー・クリーマーのトレーを見るとタコ焼きを連想して
しまってウィンブラッドにもモーツァルトにも申し訳なく思います(笑)。
ネットショップ用に発注しようかと思案中です。
いかがでしょう?

府中名品展(3/12~3/16)予告編その3

第三弾はMoserからの出展です。
昨年150周年を迎えたチェコのガラス工房モーゼルのことは何度かご紹介済みです
2008年新年早々の研修旅行での工房見学の様子もチラッと。
実は150周年記念企画としてモーゼル社に制作してもらった洋食器の創美の
特別オーダー作品があります。
10点限定ですが
シリアルNoを入れないことと(限定)証明書を発行しないことが条件でした。
並行輸入業者のつらいところですがその関係は深く強く美しい。
そういう受注こそ伝統的職人気質のモーゼル工房の本来の姿なのかもしれません。
昔ながらのじっくり制作で少しづつ入荷しています。
moser ROHTRAUT 花器  洋食器の創美 Moser Vase-beaker
 Form and decoration:designed by
 G.Gollwitzer,1942,prod.no.647,
 ordered by Sohbi,2007,150th
 anniversary,limited edt.10,H15cm
 
 ’ordered by’以降は今つけました(笑)。
 最高にすてきでしょう?
 スペックにあるように1942年にデザイ
 ンされた逸品の10点限定復刻です。
ドイツ人デザイナーのゲルハルト・ゴルヴィッツァーによるモーゼルにしてはめずらしい
繊細でエレガントなフォルム。
エングレーブ(彫刻)パターンはドイツの詩人E.メーリケによる「美しきロートラウト」から
着想された狩猟の場面。
スイスの作曲家O.シェックによるメーリケ独語歌曲集にも採り上げられているその詩
を読めば恋心が伝わってきます。けっして血なまぐさい狩猟画ではないのです。
メルヘンの世界を想わせるパターンとそれにマッチしたフォルム。絶妙。
詩で繰り返される「黙ってろって、この心!」のフレーズは抑えきれない喜びの表現と
解釈されているそうです。
府中店名品展でご覧いただければ「黙ってろってこの心!」です。

ウェッジウッド サラズガーデン

WEDGWOOD Sarah’s Garden
あんまり名品特集ばっかり続けると疲れますね。
印象に残っているウェッジウッドのご紹介でちょっと息抜きしましょう。
裏管理人が梅田店店長時代にウェッジウッドのサラズガーデンというシリーズが
たっぷり入荷したことがあります。
とにかくアイテム数が多くて陳列に困りました。
ウェッジウッド サラズガーデン_1  洋食器の創美 オイル・ビネガーポットやエッグカップから
 テーブルマットにコースターまで色違いも
 含めて実に70種類以上のラインアップ(汗)。
 1998年発表のカジュアルウェア提案。
 丈夫なクィーンズウェア製品です。
 
 「やる」と決めたらとりあえず全部チャレンジ
 していた洋食器の創美イケイケ時代です。
人気は上々でしたが管理しきれなくて縮小していったような。
ウェッジウッドで一度にそんなに多くのアイテム数を演出してみたことがなかったからか
妙に印象に残っています。
ウェッジウッド サラズガーデン_2  洋食器の創美サラズガーデンというくらいですからこういうシチュエーションが似合います。
洋食器の創美では今はもうほとんど扱っていませんがヨーロッパのカタログを見るとまだ40アイテム以上が健在でした。
コテージ風の別荘やガーデンパーティーにバッチリですがふだん使いに。
復活させてみます?
あとですね。完全に余談ですが、
「サラ」で料理や食事というとどうしてもTDLの「グランマ・サラのキッチン」が連想され
ちゃうんですねぇ。
あのレストランにも似合いそうな気がします。

府中名品展(3/12~3/16)予告編その2

昨日に続いて
洋食器の創美府中店「ヨーロッパ名陶名品展」(3月12日~3月16日)に出展予定の
名品逸品ご紹介第二弾。
Julius Konrad Hentschel(1872-1907)
ヘンチェル人形ってご存知ですか?
マイセンでひとつのカテゴリーになっている磁器人形です。
マイセン生え抜きの造形彫塑師J.K.ヘンチェルが考案したユーゲントシュティール
(アールヌーボー)様式の子供を主題にした作品群のことです。
マイセン ヘンチェル人形_3  洋食器の創美 こんな作風です。
 こちらは2003年マイセンデイズで発表された
 各300体限定の特別色。
 大きさ(高さ)は左から12cm、8.7cm、16.5cm。 
 マイセンの他の磁器人形とはずいぶん違う
 イメージでしょ?
 やさしい癒し派です。
 これは入荷しませんのであしからず。
 
P.ショイリッヒや一度チェスセットでご紹介したM.エッサーなどマイセンにもユーゲント
シュティール(ドイツではアールヌーボーのことをこう呼びます)の芸術家はいましたが
彼らはマイセン以外で名を成してからマイセンに招聘されました。
J.K.ヘンチェルはマイセン付属養成学校からの生粋のマイセン職人です。
マイセン ヘンチェル人形_1  洋食器の創美
 誰もが欲しくなる「ミルクを飲む男の子」。
 両手でもっているカップはちゃんとブルー
 オニオンのパターンが描き込まれています。
 このように色彩のやさしい人形絵付けになる
 のがお約束です。
 どの子も後頭部がなんともいえずそれらしい
 ことにいつも感心します。
 で。うまくいけば府中店名陶名品展に入る予定のヘンチェルの作品が
 こちら。
マイセン ヘンチェル人形_2  洋食器の創美
 1999年発表限定19セット(証明書付き)の
 ヘンチェル人形4体のデスクセット。
 ペン皿とキャンドルスタンドとメモ台にペー
 パーウェイトのセットです。
 
それぞれにかわいい子供の人形がアレンジされています。
まず今後の入手は困難な超希少品です。
世界で19セットってすごい。
特別なマークとシリアルNoも入っています。
「この子だけ」とかはご容赦(限定作品の価値がなくなります)。
4人養えることが前提となります(笑)。

府中名品展予告編その1

洋食器の創美府中店で「ヨーロッパ名陶名品展」を開催します。
3月12日(水)~3月16日(日)の5日間限り。
「ヨーロッパ名陶名品展」はよく応援入店で記事にしていますが今回ばっかりは担当店
でもありますから、申し訳ないくらい連続ご案内となることを宣言しちゃいます。
もちろん主題はちゃ~んと名品逸品の紹介ですからしばらくお付き合いくださいね。
そのかわり、
上記期間中府中店でご購入のお客様で「インターネット(ブログ)見た」とおっしゃっていた
だけば正式なご招待状がなくても特典あり! って今決めました。
極力、期間中にご来店いただければご覧になれるアイテムに絞ってご紹介しますね。
 第一弾。
マイセン 205584/50m22  洋食器の創美 Meissen 205584/50m22
 Vase,Flower painting mid19th century,coloured
 2005年の世界50点限定制作品です。
 もちろんシリアルNo入りで証明書付き。
 高さ35cmの大作。
 
 どうですこの壮麗な花絵付け。
 パノラマ状に途切れるなく手描きするひじょうに
 高々度な技法です。
 こちらも拡大画像鑑賞推奨品です。
通称「クレタベース」。
絵付けも超絶ですがこの形がまたすばらしいんです。厚みは2cm近いのではないで
しょうか。
古代ギリシャ時代にぶどう酒と水をまぜるときに使われた器に着想して1865年に
マイセンが作ったクレタベースの原型は高さ60cm近い威容を誇ります。
これでも小さくしたということですね。
迫力ありますよ~。
価格?
迫力ありますよ~。会場で喜んで直接ご相談承ります(笑)。