Meissen Jagerlatein decoNo682110
「狩人のほら話」とか「猟師の自慢話」とか。
下絵付けと上絵付けのことをご説明したときにちらっと登場したシリーズです。
ハインツ・ヴェルナーが1973年に世に問いました。
1700年代から「狩猟画」はひとつのジャンルとなっていました。
ヨーロッパの王侯貴族にとって「狩猟」は趣味かつ訓練かつ自然調査かつ犬馬自慢かつ
交流の場でしたから受けが良かったんでしょうね。
狩猟がモチーフになったフィギアも数多く作られていますがどうしても血なまぐさいデザイン
でなかなか好みの分かれるところです。
それを希代の天才デザイナー兼磁器絵付師H.ヴェルナーが考案するとこうなるわけです。
個人用アイテムには6種類のモチーフがあって
こちらは4番のモカカップ&ソーサー(100cc)。
モカカップ&ソーサーとプレート16cmにモカポット、
モカシュガー、モカクリーマーだけの超贅沢なシ
リーズです。
上の写真でフルラインアップです。
ブルーオーキッドやアラビアンナイトとはハンドルのデザインが違っているのがお分かりで
しょうか。
このデコレーションだけのための形っていうことです。すごいことでしょう。
もうひとつすごいのが絵付け記事でご紹介しましたように
「酸化クロムの緑」による下絵付けと上絵付けに金彩絵付けで描かれる点。
ユニークで秀逸なデザインであるだけでなく超高度絵付け技法が要求されます。
ペインター泣かせの傑作です。
限定シェイプに一点ごとのモチーフに特殊な絵付け技法。
まずまずとんでもなくコストのかかる定番アイテムです。
特徴的なデコレーションですので陶板や置物に
用いられることもしばしば。
空間の使い方が親日家のヴェルナーしてます。
ぶどうを愛するマイセン市民の色でもあるグリーン
(ヴァインリーフの緑)を活かした作品ですね。
ちっちゃいのに高額なわけがお分かりいただけました?