Moser -Czech- since1857
チェコのモーゼル続編です。
さてさて「カリクリスタル」の特徴をご説明しなければなりません。
軽い・硬い。
これに尽きます。
薬品への耐性が強力なことも特徴のひとつで腐食させるエッチング技法などは通用しません。
この真反対の特徴をもつのがバカラなどの「レッド(鉛)クリスタル」。
ローハンやパルメは薬品による腐食を利用したエッチング技法になります。
モーゼルはカリクリスタルですから
硬いので加工がたいへんです。
そのかわりマイスターによるエングレイブ(彫刻)の繊細さは他の追随を許しません。
マハラニのワイングラス。
髪の毛より細い超絶エングレーブ!!
硬いからこそ精緻な加工が可能なのです。
フラワーベースなど大物も手作業。
面取りはファセットカットで仕上げます。
丸テーブルのような大きな回転盤にたくましい腕の職人が押し当てて削ります。
まずまずとにかくすべてにおいて手作りです。
吹きガラス、木型での成形、面取りのファセットカット、深~いエングレーブ、細か~いエングレーブ、金彩、金磨き・・・。
ファセットカットと深~いエングレーブのアールヌーボーの花器。
1936年デザインのモーツァルト。
手にとるとその軽さに誰もが驚きの声を上げます。飲み物の重さだけを実感していただくのです。
軽さと硬さ。
モーゼルは加工が困難なカリガラスの道を選んだことでより技術を進歩させたわけです。
少量生産ですがそこがまた魅力。
世界中のほんとのセレブ御用達工房なのです。
その独自のカラーにつてはまた次回。